すみません。メモ代わりに使っています。

老人保健施設の医療

江澤和彦

(日老医誌2011;48:342―344)

介護老人保健施設(以下,老健施設)は,昭和63 年の老人保健施設の制度発足に始まり、全国に3,700 を超える施設が整備されてきた.この間,老健施設は在宅復帰支援,リハビリテーション,認知症ケア,看取り,ユニットケアなど多機能性を発揮し,医療は,日常的な医療対応や不測の急変時の対応等の役割を担ってきた.

この間の医学の進歩により,日常の標準的な医療の一部には,専門医により提供される医療や高額な薬剤を用いる治療などが含まれるようになり,施設内の医療ニーズが高まってきている.

全国老人保健施設協会にて行った「介護老人保健施設における適切な医療提供のあり方に関する研究事業」(平成20 年度老人保健事業推進費等補助金事業)

の要点を紹介する。

①入所者のうち「医療機関から」が55.9% を占めるが,「急性期(一般病床から)」が全体の39.3% であり,「家庭から」の34.5% より多くなっている.

②退所者のうち「医療機関へ入院」が51.2% を占める。ついで「家庭へ」が27.0% で続き,「老健内で死亡」は3.3% である.

③医師の時間外(休日・夜間を含む)体制は、オンコール体制が55.6%、併設医療機関の当直医が32.0%となっている。

④看護職員の体制は、看護職員の当直が78.0%。人数の平均は,1.1 人となっている.

⑤医療処置としては「褥瘡の処置」「点滴」「喀痰吸引」「尿道カテーテル」「インスリン注射」「経管栄養」「酸素療法」「間歇導尿」「ネブライザー」「人工肛門」が70%を超えている。一方,「人工呼吸器」,「透析」,「中心静脈栄養」,「気管切開」,「緩和医療」,「ドレーン」については、5割以上が「不可能」としている。

⑥急変事態は、肺炎(誤嚥性を含む)が70.5%で最多である。以下「褥瘡」,「認知症の行動障害」,「尿路感染症」,「骨折」,「貧血」,「意識障害」,「急性気管支炎」が上位にあげられている.

⑦急変事態のうち、「褥瘡」,「脱水」,「帯状疱疹」,「認知症の行動障害」,「感染性胃腸炎」,「インフルエンザ」,「急性気管支炎」,「尿路感染症」については、6割以上が自施設で対応。「肺炎」については,24.1%が自施設で対応。それ以外(すなわち骨折、貧血、意識障害、肺炎の3/4)は医療機関に依頼。

⑧終末期医療を行った施設は41.1% である.平均症例数は5.0 となっている.70.9%は「家族が延命治療を望まない」ためとされ、家族の意向による影響が最も強い。医療的処置としては,「末梢静脈からの点滴」(81.1%)が最も多い。医療行為としては,「喀痰吸引」(83.3%),「点滴」(82.6%),「酸素療法」(79.1%)があげられる。

⑨認知症は、92.1%が有している。ランク「III」が36.1% と最も多く,次いで「II」が27.9%,「IV」が13.2% となっている.


ようするに、老健が医療費削減のための受け皿になっている。そのために医療の矛盾が老健に集中して現れている。
厚労省は在宅への橋渡しとしての建前を捨てず、その結果利用者・家族にしわ寄せが行っている。
老人の恐怖は死ぬことよりも生きることになり、家族の希望は老人の死ぬこととなりつつある。
言っておくが、下の始末が出来なくても、認知が進んでも、老人は粗大ごみじゃないぞ。立派な人間だぞ。少なくとも粗大ごみ以下ではないぞ。その辺に捨てたらあかんぞ。