このところステレオ初期の録音がとてもよい音質でアップロードされるので、つい懐古趣味になってしまう。
最初はライナー指揮シカゴ交響楽団の「田園」だ。63年の録音というから最晩年のものだ。
音は良い。とにかくシカゴ交響楽団の上手さには恐れ入る。第一楽章はなんということなく流れて、こんなものでしょうと思っていたが、第二楽章の細かいパッセージになると、ウヒャとたまげてしまう。嵐の場面になったらもうとんでもなくすごい。
こんな楽団、いまだにないんじゃないのかと思ってしまう。

もう一つはベイヌム指揮コンセルトヘボウのブラームス1番。すごく地味な演奏だが、聞き進んでいくうちに、「これしかない」と納得させる。
フルトヴェングラーのどろどろ演奏があって、たぶんベイヌムはそれを知っていてこういう風に演奏しているのだろうと思う。徹底して弦の合奏にこだわる。それに木管を絡めて、というスタンスを崩さない。
雷鳴のごときティンパニーも、轟音のごときコントラバスもそこにはない。なのにそこにはいずまいを正した緊張感が支配する。名演である。
口を開けばフルトヴェングラーという連中に、この演奏を聞かせたい。