橋本努さん、ありがとう

http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/Resume%20on%20Rousseau%20Emile.pdf

で、『エミール』の梗概を作ってくれている。北大経済学部の人らしい。

えっ!というか、あの「ハイエク+マルクス」の橋本先生じゃん。経過については私のホームページの 更新記録 2008.05.20 を参照してください。

それで、一時間もあれば、さわりには触れることができるし、「さしあたり全文を読む必要はなさそうだな」ということも分かる。

気に入ったところだけ抜き出しておく。教育に興味のある人は橋本先生のページへどうぞ。

第一編(上巻)

・【社会秩序と自然秩序】

「自然の秩序のもとでは、人間はみな平等であって、その共通の天職は人間であることだ。両親の身分にふさわしいことをするまえに、人間として生活するように自然は命じている。
生きること、それがわたしの生徒に教えたいと思っている職業だ」

・【活動重視の教育】

「生きること、それは呼吸することではない。活動することだ。」

・【自然の弟子】

「教育は生命とともにはじまるのだから、生まれたとき、子どもはすでに弟子なのだ。教師の弟子ではない。自然の弟子だ」

第二編 子ども時代(~12,13 歳)

・【将来に備える教育について】

「人間よ、人間的であれ。それがあなたがたの第一の義務だ。あらゆる階級の人々に対して、あらゆる年齢の人々に対して、人間に無縁でないものに対して、人間的であれ」

第三編 青年期の直前(12,13 歳~15 歳)

第四編 第二の誕生(中巻)

・【人間の弱さから生まれる社会】

「人間を社会的にするのはかれの弱さだ。わたしたちの心に人間愛を感じさせるのはわたしたちに共通のみじめさなのだ。人間でなかったらわたしたちは人間愛など感じる必要はまったくないのだ。愛着はすべて足りないものがある証拠だ。

わたしたちのひとりひとりが、ほかの人間をぜんぜん必要としないなら、ほかの人間といっしょになろうなどとはだれも考えはしまい。こうしてわたしたちの弱さそのものから、わたしたちのはかない幸福が生まれてくる。

・【自分自身に満足することの幸福】

「神は、人間が自分で選択して、悪いことではなくよいことをするように、人間を自由な者にしたのだ。神は人間にいろいろな能力をあたえ、それを正しくもちいることによってその選択ができるような状態に人間をおいている」

・【人々を高く評価しないが軽蔑しない】

「一般的にいって、エミールはだれの考えにも反対しないで、自分の考えを述べる。かれはなによりも自由を愛好しているし、率直に語ることは、自由の最も美しい権利の一つなのだから。」