第一の論理 安全神話
3.11の前、原発を支えていたのが「原子力は安全」という論理だった。途中からは「地球に優しいクリーン・エネルギー」という宣伝も加わった。
これは3.11そのものにより破綻した。
第二の論理 原発は安いという論理
これも3.11前から流布されていた宣伝だが、3.11のあともしばらく続いた。今でも経営者の一部はそう考えている。しかし、安全コストがふくまれていないという点では、反論できない。
それにLNG専焼の火発のコストを隠していたが、これだと実際にはコストは同等である。送電コストを載せれば低くなる。
第三の論理 原発がなければやっていけない
これが目下の最大のアピールポイントだが、これはいつまでも使えるわけではない。火発の建設そのものは原発よりはるかに容易である。都会に隣接した埋立地さえあれば用地取得や、送電設備などは1年以内に可能である。
第四の論理 貿易収支の悪化。同等の発電量生産に要する価格はLNGよりウランのほうがはるかに安い。これは事実である。
しかしトータルコストとしてはLNGのほうがはるかに安い。経団連が好きな「国際競争力」の観点から見てもLNGのほうが有利である。
さらにLNGの高価格は、商社等の不当な吊り上げによる影響が大きい。文句を言うなら、そちらに言って欲しい。

結局、論争を通じて明らかになったのは、これらのいくつもの論理は原発維持の本当の理由ではないということだ。

真の理由は核開発能力の維持にある。
24日付赤旗の15面に森本防衛大臣の発言が載っている。

国の基本として、原子力を持つということは、たんにエネルギーの問題ではない。
…非常に大事な抑止的機能を果たしている。
…(原子力を)決して捨てるべきではない。


この発言は、今年1月に北海道で行った講演会でのものだ。まだ防衛大臣に就任する前のことだが、財界をふくめた米日支配層の「本当の理由」を述べたものとしてとらえるべきだろう。