マネー辞典の記載はこうだ。

ユーロ円

ユーロ市場に集まる資金をユーロマネーといい、ユーロ円やユーロドルなどがある。通貨のユーロとは関係ない。

ユーロ円債

ユーロ市場は金融取引の場であるので、ここを発行市場として債券を発行することが可能である。それがユーロ債であり、なかでも円建てのものをユーロ円債という。日本非居住者でも発行することができる。

ユーロ円債を購入する時は、投資家は円で払い込み、発行体も円で受け取る。

ユーロ円債のメリットとして、発行者にとっては国内市場よりも発行コストが安く、より自由な形態で機動的な発行ができること、投資家側にとっては一般的に高利回りであることなどがあげられる。


つまり、「ユーロ円をもちいた債券発行」という赤旗の記載は、「誰がユーロ円を持っていて、誰が債券を発行しようとするのか?」という主語がはっきりしないから、何を言っているのかチンプンカンプンになっているのだ。

中身としてはこういうことになる。

たとえば日本の誰か金持ちとか、大企業の隠し資金とか、ゴルゴ13みたいな後ろぐらい連中が、スイスの銀行あたりに円建てで預金する。これが運用のためにロンドンの市場に顔を出す。

これがユーロ円だ。これを集めてどこかに投資したい連中が、円建ての債券を起債する。これがユーロ円債ということになる。これは面倒くさい規制もなく、匿名性が保たれるので、実においしい金融商品となる。

この「マネー辞典」には書いてないが、このユーロ市場というのは、じつはモルガンやバークレーなどがつるんだ金融シンジケートに他ならず、アメリカの支配する闇の帝国である。


ただ、実際の投資先はどうしても日本国内ということになる。そうすると、どうしても日本の国内規制を潜らざるを得なくなる。ここをどういう風にクリアーするかが起債する側の問題だ。

そこでアメリカ政府を通じて日本政府に圧力をかけることになる。言ってみれば脱税すれすれの金が、外国金融機関を通じて大手を振って入ってくるわけで、日本としてはこんな胡散臭い形での投資は願い下げにしたいところだ。

逆に、ユーロ市場を取り仕切る金融機関としては、他人のふんどしで相撲を取って、手数料や利ざやを稼げるわけだからウハウハである。

そこから先は政治的豪腕である。「内国民待遇」というのは、その昔イギリスが日本に進出して強引に「治外法権」を獲得するのと同じ、植民地支配の技法である。

なぜ中曽根首相がこのような屈辱的な「黒船外交」を受け入れたのか、ここが明らかにされないと、この連載の意味はないのだが…


だいぶ分かってきた。この赤旗記者は何もわからずに書いているということだ。分からずに書いてある記事が読者に分かるはずはない。ここは赤旗記者に「この文章はこういう意味なんだよ」ということを教えるつもりで、調べていかなければならない。