人民日報系列の環球時報の9月11日付及び12日付社評(社説)

浅井基文さんが訳してくれたものの抜粋です。「強い反感を覚える方もいると思いますが、読む方一人ひとりが、これからの日中関係について考える際の材料として受けとめてくださることを希望しています」とのコメントが付いています。
強調文字は浅井さんによるものです。

<9月11日付社評「釣魚島 中国の「国有」の地位は変わらない」>

 中国のこの対日闘争は、釣魚島の支配の局面を変更することを長期目標とするべきだ。これは困難を極める、息の長い事業であり、中国人が意志、智恵だけでなく高度な団結を持すべきことを求めている。

① 釣魚島の主権は交渉の余地はない。日本側の釣魚島を「防衛する」決意と意志もまた固い。これは確固(とした意志)同士の対決であり、「海軍を出動しさえすれば問題は解決できる」という考え方は幼稚である。

② 衝突は現在のところ中日間で展開されているが、中国の圧力が強まればアメリカが前面に出て来て、中国対日米同盟という形態が出現する可能性がある。中国はこのような最悪に備える必要がある。

③ 中国は今もなお高度成長という戦略的チャンスの時期にある。しかしこの「チャンスの時期」を守るために領土主権を犠牲にすることはあり得ない。

④ 現在は未だ領土問題を「徹底的に解決する」チャンスとは言えない。それをやれば、中国がバカを見る可能性は極めて高い。

⑤ 現在やるべきことは、第一にすべての海上領土の法的主権を堅持することであり、第二に紛争的性格を拡大することである。

⑥ そのためには行動がなければならない。釣魚島問題における行動とは、民間の釣魚島防衛運動、漁船を組織して操業に赴かせること、中国の巡視船による頻繁な巡視活動などがある。日本が支配行動を増やすに従い、我々の行動 も不断にエスカレートする必要がある。

⑦ 日本の釣魚島に対する支配は固い。一日二日の闘いではなく、今後数十年にわたって釣魚島で圧倒し続ける必要がある。釣魚島はどこかに行ってしまうことはあり得ず、衰退する日本は最終的に守り切れない。

⑧ 中国が釣魚島を回復する過程は、日本という昔からの相手を屈伏させる過程にほかならない。

<12日付社評「二度と友好に幻想を持たず、真剣に日本に対処すべし」>

① 日本政府は釣魚島のいわゆる「地権者」との間で正式に「島購入」の契約に署名した。70年代から発展して来た中日友好関係は完全に崩壊した。

② 中日が再び相互に仇敵視する二つの民族となることは恐らく避けがたい。これは必ずしも悪いことではない。こういうライバルが身近で我々を刺激することは我々を励ますだろう。

③ 我々にとって中日友好の政治的意味は必ずしも大きくはない。日本の中国市場に対する依存度はすでに中国の対日市場依存度を超えている。中国は核兵器国であるの で、日本に対して強大な軍事的抑止を保持できる。日本は世界の一流国家の強大さからはほど遠いので、中国に対して致命的な脅威となるすべはない。

④ 日本は弱いものいじめをして強いものにはペコペコする国家だ。なんらかの形で日本に対してトータルな教訓を与え、明治維新以来の中国蔑視を徹底的に改めさせなければならない。

⑤ 我々はその力を十分に蓄え、なんらかの衝突の際に日本に対して思いきり見せつけ、日本をして中国の力に対する畏敬を新たにさせる必要がある。その時にはじめて中日友好が改めて開始する。


浅井さんの言いたいことは良く分かります。
とにかく、良いか悪いかは別として、中国の言い分を聞けということでしょう。
わかるのは、中国の人々には、心理の基層に日本に対する凄まじい怨念があるということです。ここが南沙諸島と違うところです。
かつて周恩来は「恕すが忘れない」といいました。「我々は恕した。しかし媚びたのではない。日本人が素直に謝れるように促したのだ」ということでしょう。

今は「忘れないし恕さない」と代わりました。
そうなったのは昔のことではないのです。日中国交回復以後の日本の態度が許せないのです。
侵略の歴史を知らないか、知っていても“誇張”にすぎないと思っている“現代の日本人の無神経さ”が我慢ならないのです。
それがいわば「一発カマシタレ」的な一種の「報復思想」に結びついたとしても、事の是非は別としてそれなりに理解可能です。というより、私自身が靖国族に一発かましたいくらいの気分です。
ただ、とにかく党のトップに近い部分が挑発を認め、煽っていることは事実です。おそらくレトリックもあるのでしょうが、かりそめにも共産党であれば、もう少し上品な発想であってしかるべきでしょう。
それと、一番気になるのは核兵器に対する考え方です。言って良いことと悪いことがあります。みずからを貶めるような言い方だけは、世界史の立場から、人類史の立場から断固として撤回をもとめたいと思います。