国家戦略会議という仰々しい名前の政府機構がある。
そこのプロジェクトとして
「革新的エネルギー・環境戦略」策定に向けた中間的な整理
というのが発表されていて、その参考資料として
下記のグラフが提示されている。

https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/e/a/ea8c8ff6.jpg

もう一つは、比較的最近の資料
https://livedoor.blogimg.jp/shosuzki/imgs/1/3/13591706.jpg
いずれのグラフを見ても、天然ガス発電のコストがきわめて安いことに注目する必要がある。石油とは2~3倍の開きがある。しかも石油価格はきわめて不安定だ。
原子力とは比べるのがばかばかしい話で、ここには交付金も、処理費用も保険金もふくまれていない。しかも、それらを無視したとしても、LNGと原子力はコスト的に大差ないのだ。

これまで、原子力は石油火発と比べられてコストを論じられてきた。実際には火発の多くはすでにLNGに移行しており、これは偽りの比較だった。
いままでの「原子力は安い」という大宣伝は一体なんだったのか、と思う。

GEもシーメンスもすでに原発からの撤退を表明している。これからは風力とLNGだといっている。このミックスでコストは十分に引き合う。
「原発を維持しないと国際競争力が失われる」と経団連は言っているが、それはぎゃくだ。むしろ原発にこだわることが、国際競争力の足かせとなる可能性さえある。

もし廃炉コストを気にしているのなら、それはあまりに身勝手だ。次の社長におっかぶせようなどというのは、長たるものにあるまじき卑劣な行為である。