もう素粒子はやめようと思ったが、なんとなくグルーオンの記述をすっ飛ばしたのが気になってしまう。

ずらずらと種類を並べて見たが、圧倒的な主役はグルーオンだ。それに自発的対称性の問題からヒッグスへ話が発展していく上でも結節点の位置にある。

眼のくらむような方程式が並ぶが、分からないなりにもう少し齧っておいたほうが良さそうだ。

核力と中間子

まずは歴史的な流れから追う。http://www.gekkou.or.jp/g-8/sience-3.html

1935年(昭和10)、湯川秀樹博士は、原子核の中で核子(陽子と中性子)を結び付ける「核力(強い力)」を媒介する粒子を仮定した。

そしてその粒子は、電子の約200倍の質量を持つと予測し、電子と核子の中間の質量をもつところから「中間子(メソン)」と名づけた。

1947年、宇宙線から、最初の真正な中間子「π(パイ)中間子」が発見され、湯川の仮説は証明された。

陽子なり中性子なりを集めて、一つの原子核にまとめているのが核力であり、その本態は中間子である、ということのようだ。

クォークをハドロンに結びつける力

つぎは http://astr.phys.saga-u.ac.jp/~fun のページから引用する

1960年代の初め、核子やパイ中間子の仲間が次々と発見されました。また電子の仲間も発見され下の表のように分類されました。
ハドロン
バリオン

核子、デルタ粒子、ラムダ粒子、シグマ粒子、グザイ粒子、等々

メソン

パイ中間子、K中間子、イータ中間子、ロー中間子、オメガ中間子、等々

レプトン
荷電レプトン

電子、ミュー粒子、タウ粒子

ニュートリノ

電子型ニュートリノ、ミュー型ニュートリノ、タウ型ニュートリノ

ここでハドロンというのは核力を感じる粒子の総称です。

さらにハドロンはバリオン・グループとメソン・グループに分けられました。

粒子が持っているスピンという量が1/2の奇数倍のものがバリオンで、偶数倍のものがメソンです。

ハドロンを分類していくうちにある規則性があることが分かってきました。そしてハドロン族の粒子はすべて3種類の粒子の組み合わせで説明可能と考えられるようになりました。その粒子はクォークと名づけられました。

そうすると、このクォークがどういう状況の下で、どのように結合するのかということが問題になります。

陽子と陽子、陽子と中性子をくっつけるのが中間子ということだが、今度は陽子や中性子の中の三つのクォークを結びつける力が問題になってくる。

そこでクォークを結合させる「糊粒子」=グルーオンの存在が予想されることになりました。

ということでこれを図示したのが下記の絵

クォークの色

電磁気力は粒子の電荷を感じて、光子によって伝えられます。同じようなことがバリオンの世界でも起きています。その際、電荷に当たるのが「色」(色荷)であり、光子にあたるのがグルーオンという関係になります。

「色」には三種類の値があり、それぞれ「赤」「青」「緑」と名づけられています。主なハドロンの色構造は下の絵のようになっています。

陽子
中性子
正パイ中間子

こういう組み合わせだと、電荷やスピンの足し算がつじつまがあうのだそうです。その後さらに3種類のクォークが発見されたことは既述の通り。

グルーオンにも色荷があり三原色の組み合わせ計9個が存在しうる。ただし「赤」「青」「緑」の組み合わせは「白」になってしまうので、これを省いて8種の組み合わせとなる。

この色荷を互いに交換することにより強い結合力を生み出している。

糊といわれる所以

その相互作用の特徴は、「漸近的自由性」といわれる。

近い距離の内では自由度があるが、ある距離以上に離れようとすると急に力が働いてくるのである。

それは、まるで丈夫なゴムひもで結ばれているようにもたとえられる。


http://homepage2.nifty.com/einstein/contents/relativity/contents/relativity222.html

クォークとは20世紀を代表するイギリスの小説家ジェイムズ・ジョイスの最後の長編小説『フィネガンズ・ウェイク』からとった名前だ。作品中、カモメが「クォーク」と3度だけ鳴くシーンがあるが、それと3種類のクォークをかけたのだ。