案の定マリ北部が地獄の様相を呈して来た。もともと、カダフィの傭兵だった黒人がリビアから逃げ込んできて、自分たちの縄張りを広げてきた。
もともとが殺し屋な上に、リビアでの血みどろの戦闘で人を殺し慣れている。何もないが武器だけは豊富だ。こんな連中にマリの軍隊は勝てっこない。
だから、国土の北半分は当分あきらめるほかないだろう、と今年4月11日の「マリの状況が見えてきた に書いた。

その後、いくつかの変化がある。国軍がクーデターを起こした。戦闘に行きたくないとの意思表示だ。
北部の主も代わっている。最初は一応、マリからの独立を求める現地のトゥアレグ族の「アザワド解放民族運動」ということになっていたが、今では没落して「西アフリカ統一聖戦運動」というイスラム過激派が支配している。さらに「イスラム・マグレブのアルカイダ」を名乗る組織も勢力を拡大しているという。
いわば北部のソマリア化だ。そうでなくても砂漠地帯で厳しいところだが、山賊どもとバッタの大群が束になって押し寄せてきている。バッタについては6月15日の「サハラのバッタ」を参照されたい。

マリ北部から国外へ26万、南部へ17万人が避難したが、さらに460万人が緊急食糧援助を要する状態にある。
いまはともかく、山賊退治よりも住民の避難を急がせ、一人でも多くの人を救うことに専念すべきではなかろうか。
戦略的には、砂の壁による封じ込めが有効だろう。砂漠地帯をジープやらくだで行き来するゲリラ相手には、機動線が通用しない砂の壁の要塞はきわめて手ごわい。それは西サハラの戦いが証明している。