http://www.bloomberg.com/news/2012-05-17/venezuelan-economy-grew-more-than-expected-in-first-quarter-1-.html

ベネズエラの経済成長率は過去4年間で最高

By Charlie Devereux -

May 18, 2012

第1四半期に、ベネズエラの経済は2008年以降最も速いペースで成長した。記録的な石油収益があり、今年の大統領選挙を前にしたチャベス大統領が住宅建設への融資をおこなうこと可能にさせたからだ。

ホルヘ・ジョルダーニ大蔵大臣が今日、カラカスで記者会見し、「経済は前年より5.6パーセント拡大した」と発表した。ブルームバーグが取材した7人のアナリストの推定値の平均は4.1パーセントだった。

この数字は、2008年の第2四半期に記録した7.8パーセント以来のものである。

新社会計画のセットは10月の大統領選挙でのチャベス再選の基礎となっている。この計画は老人と子供を極貧状態から脱出させ、200万の住民に家を与えることを、経過の柱としている。

建設業界は第1四半期に拡大を導いた。前年比29.6パーセントの急上昇である。その間に金融機関も27.7パーセント成長している。

「ここでは、我々は今後6年の間、成長が続くだろうと展望している」と、ジョルダーニ蔵相が言った。「我々はこの6四半期世界的資本主義の危機の影響を受けてきた。今度は生産的なモデルに基づく成長である」

南米最大の産油国でありOPECの創設メンバーであるベネズエラは、09年に3.3%、10年に1.4%の経済収縮を経験した。昨年は回復に向かい4.2%の成長を遂げた。

油収益の増大

今年第一四半期成長率が明らかになっている30か国中、ベネズエラは中国、ラトビアとインドネシアについで第4位を占めている。ブルームバーグのまとめによれば、5.6パーセントの成長はカザフスタンに匹敵する。

国営石油会社の純利益は45億ドルに跳ね上がった。昨年比42.4%の増加に当たる。これは原油国際価格の平均価格が1バレル101.06ドルまで上昇したためである。石油省の予想によれば、第1四半期の原油価格はさらに112.04ドルにまで上昇している。

石油関連セクターが2.2%の成長にとどまる一方、非石油セクターは5.6%の成長を遂げている。輸送、小売、通信は、それぞれ8.5パーセント、7.9パーセント、7パーセント拡大している。

2010年9月、チャベスは議会選挙で絶対多数を失った。その後チャベスは、住宅計画の作成を発表した。そしてこれによりベネズエラの住宅不足200万戸を2018年までに根絶すると述べた。

消費の拡大

このプロジェクトは中国のCITIC Group社などと交渉し、カラカスおよび全国各地に低所得者用住宅を建設するよう求めた。ベネズエラ国営通信が5月10日に報道したラファエル・ラミレス石油相の発言によれば、計画はすでに発足しており、今年これまで50,000の家が建設された。

公的な出費は、第1四半期だけで実質811億9000万ボリバー(189億ドル)で、前年同期比17パーセントの上昇である。(バンクオブアメリカとメリル・リンチの推計)

ニューヨークのバークレイズ・キャピタル社アナリストのアレハンドロ・アレアサは、電話インタビューでこう語った。

「このペースの成長は、中期的には持続可能とは思えない。それは単に拡大を費やすことに基づく成長でしかない。どこかで、もうこれ以上出費を増やし続けられなくなる限界点がある。経済はそれ以上の増加に反応しなくなる」

インフレーションは政府が価格統制を広げたために鈍化している。

消費者物価は4月に0.8%上がった。これは2007年以来もっとも遅い速度である。生活必需品への物価規制が効果をあらわし、物価を25%程度押し下げた。

政府は、すでに100以上の食料品の価格を管理している。


「重要な調整」政策

ベネズエラのインフレ率は、依然年間23.8%にとどまっている。これはブルームバーグ社でフォローしている93の国の中で最高である。

強引な価格の調整は、ミルク、鶏、牛肉、コーヒーと料理油の不足につながった。

中銀統計では、輸入額は第一四半期で前年比48%増加し、131億9000万ドルまで増加している。

一方輸出も石油価格の高騰により23.6%増加し、257億2000万ドルに達している。

中央銀行によれば、ベネズエラは2012年の第1四半期で71億4000万ドルの経常収支の余剰を獲得しているが、資本収支においては86億1000万ドルの赤字を計上している。

アレアサは語る。

「10月に勝利するものが誰であろうと、「重要な調整」を実行しなければならないだろう。それはたとえばボリバーの切り下げなどだ」

ゴールドマン・サックス社のラテンアメリカ担当上級エコノミスト、アルベルト・ラモス(ニューヨーク)はこう語る。

「経済成長は今年の末までにはスローダウンするだろう。政府は選挙の後は支出の抑えに回るだろう。

この国の経済は過去5年間の石油価格環境によく対応してきたといえるだろう。しかしこれから先5年間も同じよな政策を続けるなら、そうは問屋がおろさないだろう


最後のコメントのとおり、ニューヨークのエコノミストの評価は「そこそこ良くやった」というものだ。

私はリーマンショックを乗り越えて、上り坂にまで持ってこれたということで、もっと点数上げてもいいかなと思っている。

現在の住宅建設計画は、たぶん選挙目当ての踏ん張りもふくまれているようだから、言葉どおりに受け取る必要はないだろう。(どうも専門家筋の評価ではとんでもない数字のようだ)

何度も強調するのだが、この国の経済運営はオーソドックスな手法ではやっていけない。

この国の実体経済の規模をはるかに上回るすごい勢いでドルが行き来している。

しかもこいつは“オイルダラー”と言って、世の中で最も流動性が最も高く、投機性がもっとも強く、たちの悪い資金だ。いざとなれば瞬きするあいだに目の前から消えてなくなる。

この投機資本と国内経済と実体貿易はどこかで遮断しなければならない。収支は短期の資本収支も合わせて評価しなければならない。

貧困者の生活水準を引き上げれば、インフレは必至であり、放置すれば経済を破壊する。

さりとて、輸入自由化で物価を安定させようとすれば、たちまち巷には失業者があふれることになる。

こういう中で経済運営をした経験は日本人にはない。だから我々は個々の失敗について四の五の言うのではなく、こうした経験から虚心坦懐に学ぶべきであろう。

私は以前から、連帯運動というのは「学ぶ運動」だと考えている。与える運動ではなく、与えられる運動なのである。