吉井質問は、LNG高値買い入れのカラクリを明らかにしている。

現地会社とつるんだ三菱商事が高値の仕掛け人だ。

ここで、もう一度LNGの国際価格の動向を振り返ってみたい。国際価格の単位は立米で表されたり、BTU(英燃料単位)という単位で表されたりするが、ここではBTUで見ておく。

日本の輸入価格は全日本通関CIF価格(JLC)と呼ばれる。震災前は11ドル前後で安定していたが、震災後一気に17ドルに跳ね上がった。1.5倍になっているわけだ。

これに対し欧州では9ドル前後、これに対してアメリカでは5ドルから2.5ドルへと半減している。17/2.5で約7倍の開きとなっている。

これは言うまでもなく、アメリカでのシェールガスの採掘開始による値崩れである。オマーンのLNGもこのあおりを食らっているから、アメリカ向けはそのレベルまで下がっている。

しかし同じLNGなのだから、オマーンから買わないでアメリカの会社を経由して買えばいい話だろう。あるいはそれを材料にして、せめて5ドルくらいに値切ることは出来るはずだ。

結局独占企業だから、購入価格がいくらでも、全部利用者に転化してしまえばよいと思っているのかもしれない。

もっとうがった見方をすれば、LNG価格を高止まりさせることで、“コストの安い”原発の再稼動を狙っているのかもしれない。

もちろん、アメリカから直接買うという方法もある。ただ戦略資源であるシェールガスの輸出については、アメリカは慎重のようだ。資源戦略に利用しようとするもくろみもある。