下記の文章は、6年前、60歳になったときに書いたものです。もう一度、自らを奮い立たせなければなりません。

2006.3.09
 情勢分析には、現実の動きと傾向をもとにするsituation分析と、もう少し長い目で時代を見るtrend分析があ ります。時代の基本が少子高齢化社会であることは間違いないでしょう。それは単純に考えればGDPの低下であり、総体としての貧困化です。社会心理学的に 見れば意欲や欲望の低下です。
 しかしそればかりでは困るわけで、高齢化社会なりに社会的活力を維持しなければなりません。これは若い人たちにとっての問題ではなく、実はこれから高齢者の仲間入りをする我々の問題なのです。
  日本の社会における強者たちは、「国際競争力を維持し企業活力を高めるためには、いっそうの富と資源の集中が必要だ」と考えています。それが「格差は当 然」の発言を呼び、社会保障の改悪に次ぐ改悪をもたらしています。しかし、この考えには無理があります。それは一時的に企業の意欲を強めたとしても、国内 需要の裾野をさらに冷え込ませ、社会全体の活力を弱める結果にしかならないからです。
 あるべき日本型高齢社会の基本目標として「国際競争力と企業活力の維持」を掲げるのには、そもそも無理があるのです。身の丈にあわせて「持続可能な発展」を追求していくべきです。そのことを国民的理解としなければなりません。
  目指すべき「日本型少子高齢化社会」の基本は、バランスのとれた貿易・財政と、均等社会の維持にあります。GDP成長率ゼロ、貿易黒字ゼロ、資本黒字ゼ ロ、財政赤字ゼロが数字目標となります。そのために大企業に対する社会的規制と裾野型産業の育成、行政による再分配機能の強化を強めなければなりません。
  同時にこの時代には終わりがあること、やがて出生と死亡のバランスが回復し、着実な増勢に向かう時期が来ることも理解しなければなりません。それまでの数 十年にわたる「移行の時代」をいかに作り上げていくのか、いかなる「日本型少子高齢化社会」を実現するのか、それこそが時代の要請する課題です。
 それはなによりも、自らが高齢者となって行く「われらが世代」の課題でもあります。「情勢負け」せず、当事者世代として旗印も掲げ、声も上げ、自らの社会活動のあり方を提示していくことがだいじです。