A 序論 「認識の共有化」

以下の3つの認識が柱で、ここを全国民が共有しなければならない。
①福島原発事故は世界の歴史に残る大事故である。
②依然として事故は収束していない。
③事故によりもたらされた被害も継続している。

さらに、ここから派生する以下の3つの認識も共有しなければならない。
①原発施設の建物と設備への対応が現在の急務である。
②被害住民への対応も現在の急務である。
③今後も独立した第三者によって継続して厳しく監視、検証されるべきである。

事故調はあえてこう書いている。
事故報告が提出されることで、事故が過去のものとされてしまうことに強い危惧を覚える。
これは、国会事故調の報告の内容をあらかじめ知った政府が、その発表を前に駆け込みで、原発を再稼動したことを指していることは明らかだ。
政府が、原発事故の体験を風化させようとしていることに警鐘を鳴らしたものと捉えるべきだろう。