6月末、G20に続いて開かれたEU首脳会議は、それまでの引き締め一辺倒から舵を切り替える重要な会議となった。
ニュースではメルケルの孤立振りが繰り返し映し出された。それは会議の性格を象徴する映像ではあったが、会議の中身では、二つの大きな決定がある。ひとつはECBによる各国国債の直接買い取りの確認であり、ひとつはそのための担保として打ち出された「銀行同盟」構想である。

前者は金融緩和の上乗せだから、基本方向が変わったわけではない。結局は誰かが保証するわけで、ドイツとその他の国との力関係で決まる話だ。
後者は昨年のスティグリッツ提案には含まれていない。
言葉だけ聞くと「銀行同盟」とはユーロっぽい魅力的なネーミングではあるが、どうも中身が不分明だ。大体こういう話は眉に唾つけて聞かなくてはならない。

赤旗では

銀行への監督権限を欧州中央銀行に一元化すること。これによりEUの金融行政を一元化すること。

とあり、その理由として

ユーロ圏内で金融市場は「自由化」されたが、規制は圏内で統一されていないため、金融危機・ソブリン危機をもたらした。

と書いている。とりあえずそれ以上の情報はない。スティグリッツ提案では、金融危機に臨んでBIS規制の一律かつ厳密な適用を主張するのは、ばかげた話だとしている。
少しネットで検索かけてみるしかなさそうだ。