失業

ギリシア社会は経済収縮を続けてきた。その影響は、8月(2011年)に顕著となった。年間5パーセントのGDP低下が明らかになった。ギリシア統計局(ELSTAT)の5月の報告によれば、失業率は労働可能人口の16.6パーセントまで上がった。

失業率は15~24歳、および25~34歳の世代で最悪の数字をはじき出した。EU諸国ではスペインに次ぐ悪い数字である。ここ1,2年、ギリシャの15~24才の世代の失業率は、ギリシャ全体の失業率より速いスピードで上昇している。2009年には25パーセントだったのが、最近では40.1パーセントへ悪化している。25~34才の世代は、2年前の11.2パーセントから今年22パーセントへ上がった。

ギリシャでの青年の失業率は、過去の10年の間も20パーセントを超えていた。しかし経済危機はこの問題をさらに悪化させた。その結果、多くの若いギリシア人は、いまや彼らの故国から離れたところに彼らの将来を見るようになっている。

 

国外をめざす

2011年の1月から5月のあいだに、EUの提案したEuropass計画の下で、35,000人以上のギリシア人が学歴と資格詳細を登録した。この計画はEU内で労働力の機動性を増やそうとするものである。これらのうち、22,000人以上は30才以下だった。

5月に発表されたEurobarometer の「青年の移動」研究は、ギリシア人青年の37%がヨーロッパの別の国で長期就労する意思を持っていることを明らかにした。これは研究の対象となった31か国中三位を占めている。

ギリシャは移民の長い歴史を持っている。最後の大きな波は1960年代にあった。そのときも失業率は高かった。

大きいギリシアの国外離散者集団が各国に存在している。それは300ないし700万人と見積もられている。その集団は、海外での仕事を捜している若いギリシア人にとってパイプの働きをすることができる。彼らは容易にイギリスやドイツへの移動を考えることができる。さらにアメリカ、オーストラリア、カナダへも。

移民のためのアドバイスや情報を交換する場として、いまや多くのインターネット・フォーラムが出現している。

 

頭脳流出

これまでの移住と比較して、ギリシャが当面向き合っている事態は違いがある。それは、国外に去ることを考慮している人々が、たんなる未熟練労働者ではないということである。20才代と30才代前半のギリシア人は、ヨーロッパの同年代層に比べ、優るとも劣らない教育と技術を持っている。

たとえば、EU統計局の数字は示している。少なくとも高等学校卒業の学歴を持つ20~24才ギリシア人の割合は、83.4パーセントである。EUの平均は79%でドイツでは74.4パーセントに過ぎない。また、少なくとも1つの外国語を話すギリシア人は、25~34歳台で83パーセントに達する。これに対しEU平均は39パーセントにとどまる。

実際、最近ギリシャを去った青年の多くは大学卒業生である。大学卒業生の3人に1人はギリシャで失業中である。それはEUの中の最高レベルの1つである。学位保持者の失業率は、過去4年でほぼ二倍になった。

ギリシャは過去10年にわたり、学生の世界最大の輸出者のひとつであった。しかし過去の時代における傾向と違うのは、これらの卒業生の多くが現在も海外にとどまっていることである。

2010年にマケドニア大学がおこなった調査では、84パーセントの卒業生がギリシャに戻る機会を拒絶していることが示された。この調査のチーフを勤めた Lois Lambrinidis は次のように推定している。この2年間に大学卒業生の9パーセントと、PhD保有者の51パーセントが国を去った。この傾向は、ここ数月でさらに加速されている。