INTERNATIONAL POLICY ANALYSIS

Young Greeks and the Crisis

The Danger of Losing a Generation

NICK MALKOUTZIS

September 2011

 

ギリシャ危機と青年

一つの世代を失う危険

 

概要

1 ギリシャの経済危機は、より若い世代にひどく打撃を与えた。青年の失業率は40パーセントを超えた。ますます多くの新卒業生が国を去っている。

2 政治体制への不満は増加している。しかし青年たちはまだ彼らを代弁する政治的な勢力を見いだしていない。

3 賃金のさらなる低下、就業機会の減少、そして高い生活費は、独身者と若いカップルのために大きな困難を突きつけている。

4 教育、職業訓練と職業斡旋でのギリシャが抱える弱点は、優秀な若い世代の利点を生かすことを難しくしている。

 

序論

ギリシャは三年も続く景気後退のなかにある。そして財政問題に取り組むために広範囲な緊縮処置をとってから二年目にあたる。経済の回復は遠い道のりであるように見える。危機の影響で苦しんでいる人々の数は増大している。毎週平均1,200人の人が仕事を失っている。とりわけギリシアの社会のひとつの部分、若者たちは最も辛い経験をしている。

ギリシャは、その青年たちという価値ある未開発の資源を持っている。人口の10分の1にあたる110万人が25歳以下だ。そして、もう150万は25才と34才の間である。彼らは教育を受け、知識が豊富で、政治的にも敏感である。しかし彼らがギリシアの社会へ明確な貢献をしようとしても、その機会は、来るべき年においては厳しく制限されている。

最新の失業率は、25才以下のギリシア人ので40%に達している。やっと仕事を見つけても、それはしばしば生活費の収支を合わせるのには程遠い。この問題に取り組む政策が採択されない限り、ギリシャはそのエリート青年層の多くが国外に去ってしまう可能性に直面するだろう。

若いギリシア人10人のうち6人はヨーロッパの他の国で働く意思を持っている。彼らはきびすを接して去っていくだろう。なぜなら、彼らは就業する希望のない、成功する機会のない状況に不満を募らせているからだ。

現在の経済・政治システムは、かつて彼らの両親には貢献したものだ。彼らはそれを改変しようとするのだろうか。彼らが政治的な水路に彼らの不満を導くかどうかは、まだ明らかでない。システムが彼らの将来を確保しないと、怒りは暴力となって噴出するかもしれない。