野田首相の「政治生命」とは何か、その精神構造を考えてみたい。
①やってきたこと
原発安全宣言、再稼動宣言、消費税増税、TPP推進、衆議院定数削減と悪政のオンパレードである。
これがすべて実施されるなら、善悪はともかくとしてものすごい実力だということになる。
これは、二つの意味が考えられる。国民のあいだの利害関係が、上下で凄まじく離反しており、「あいだをとって…」という風な調停が利かなくなっている。これが一つ、もうひとつは議会の機能が著しく弱体化して、政府・官僚機構の圧力に抗しきれなくなっている。いわゆる政治の劣化だ。
まとめると、野田首相は蛮力を振るって、血路を切り開いてきたというよりは、裏の権力の意のままに動くことで保身・延命を図ってきたというほうが正確だろう。
②とりうる保身術
民主党はこれで終わりだ。沖縄県議選でわずか一議席の惨敗に終わったことは、この党がすでに崩壊していることを示している。労組が動かないとこの党はだめだ。その労組がまじめに動けば、まさか一議席ということもあるまい。
労組の組織力にその時々の風が乗っかって躍進する。小選挙区制がこの不安定さを加速するFX政治だ。
民主党は労組=連合と、風の部分=小沢ファミリーの二つの部分からなっている。野田首相は出自は自民党と同じ保守だが、それが連合に担がれ表の顔になっている。そしてさらに菅前首相に代わり財界に担がれた。こういう二段跳び三段跳びをして首相に登りつめた人物だから、自己保身の本能は人一倍持っているはずだ。
民主党は仮の宿、連合も仮の宿、まして経団連にとっては捨て駒でしかない。
とすれば野田首相としては原発・消費税でせいぜい点数を稼いで、最低でも議員再選を果たさなければならない。さらにあわよくば政権がどうなろうと、一定のおいしいポストは確保しなければならない。それには連合に忠義を尽くすよりは経団連のほうが頼りがいがあるだろう、というのが野田首相の精神状況ではないか。
たしかにこれで話はうまく説明は出来るが、それを許してしまう政治状況もふくめ、なんとも情けない話ではある.