以下は新潟県内の経営者の生き様を報じる大西勇さんの「大西リポート」からの抜粋

 県内企業が海外進出で失敗するケースが相次いでいる。

 「米を食べる国なら米菓も売れると思ったんですがね。でもさっばり売れませんでした。失敗です」
亀田製菓のスポークスマン井田増夫経営企画室長はベトナ ムから撤退することを明らかにした。損害は六千九百万円。

 六千九百万円は亀田製菓にとってかすり傷程度だろうが八億六千万円も損した会社もある。青海町の 田辺工業だ。
九月の中間決算でタイの子会社へ八億六千万円を支援することになり、その分を特別損として計上した。

 「タイの自動車メーカーを相手にメッキ の工場をつくったのですが自動車不況で仕事がないんです。進出時期が悪かった」
 「タイの子会社が現地の銀行から借りているカネの金利が20%もする。これじゃ赤字がふくらむ一方なので本社から支援することにしたのです」

 この追い銭の工面がつかなければ、現地企業は倒産するほかない。