とりあえず、リーマンショック以降のユーロ圏財政危機の経過をギリシャを中心にざっとさらって見ました。 

2008年

10月 リーマンショック。

10月 ハンガリーの金融危機。MFが200億ユーロの支援を実施。

12月 アイルランドの三大銀行が経営危機に陥る。政府は総額55億ユーロの公的資金を注入。さらに1千億ユーロに上る不良資産買取を実施。

2009年

10月 ギリシャでパパンドレウ政権が発足。前政権が財政赤字を隠していたことが発覚。財政赤字はGDP比12%を超えていると見積もる。格付け会社はいっせいにランク切り下げ。

12月 ギリシャの財政危機が表面化。欧州委員会、ギリシャに対する制裁手続を強化、さらに財政赤字の4%削減を目標とし、財政引き締めの強化をもとめる。

2010年

3月 ギリシャの財政赤字額は前年の半分に減少。しかし経常収支は赤字額を増やす。

5月 欧州中銀、ギリシャ国債を担保とする民間銀行貸し付けを認める。まもなく国債の直接買い取りも開始する。ギリシャとポルトガル国債の保有額は610億ユーロにふくらむ。

5月 ユーロ圏諸国、総額1100ユーロのギリシャ財政支援で合意。このうちユーロ導入国の負担は800億ユーロ、残りをIMFが負担。

8月 ギリシャ、GDPは7四半期連続マイナス、失業率は12%に悪化

11月 アイルランドの要請にもとづき、EUとIMFが総額850億ユーロの支援を決定。350億ユーロが銀行再建へ500億ユーロが財政赤字補填に当てられる。

2011年

1月 EFSF(欧州金融安定ファシリティー)、アイルランド救済のため、総額50億ユーロの5年債を発行。ユーロ圏17ヶ国はEFSFの貸出し枠を2500億ユーロから4400億ユーロへ拡大。

3月 ギリシャの2010年12月失業率は過去最悪の14.8%へ。GDPは前期比-6.6%まで悪化。追加の財政再建策撤回を求めてギリシャ労働総同盟・ギリシャ公務員連合がゼネスト。275万人が参加する。

3月 ポルトガル議会、財政赤字削減案を否決、ソクラテス首相辞任。

5月 ポルトガル総選挙で中道右派の野党が勝利し、IMF の融資条件履行を確認。

6月 ギリシャでいっそうの緊縮を強いる財政法案が可決。法案反対のゼネストがおこなわれる。

7月 ドイツで、財政支援に反対する一部議員が違憲申し立て訴訟を起こす。9月に棄却される。

7月 ユーロ圏財務相会合。民間金融機関の対ギリシャ債権の取り扱いをめぐる議論が始まる。

7月 スペイン、イタリアの国債の利回りが上昇する。イタリア議会は総額480億ユーロの緊縮財政法案を可決。

8月 S&P、米国債を「AAA」から「AA+」に1段階引き下げ。

8月 独仏首脳、パリでユーロ圏の信頼回復に向けた対応を協議。金融取引税などを提案。

9月 ガイトナー米財務長官がEFSFのいっそうの拡充を求める。

10月 フランスとベルギー合弁の金融機関デクシア、ギリシャ向けに多額の債権を持つことから株価が急落。フランスとベルギー両政府の管理下に入る。

10月 ギリシャ政府が予算案を発表。財政赤字削減目標を達成できないまま提出される。

10月 ユーロ圏首脳会議、民間保有分を含め、ギリシャの債務を50%削減することで合意。

11月 パパンドレウ首相は、第2次救済融資の受け入れにあたり国民投票を実施すると表明。独仏首脳は圧力をかけこの提案を撤回させる。

11月 パパンドレウ首相が辞任。これに代わり財政テクノクラートによる暫定政権が発足。マイナス成長が5年連続し、失業率が20%を超えることから、さらなる引き締めは不可能と見られる。

11月 ベルルスコーニ首相、予算関連法案成立にともない辞任。これに代わり、元欧州委員会委員のモンティを首班とする超然内閣が成立。緊縮財政法案を暫定的に施行。

11月 スペインの総選挙。保守派の国民党が過半数を獲得。

12月 EU首脳会議が開かれる。財政赤字の抑制、欧州安定メカニズム(EMS)の早期発足、IMFへの2,000億ユーロの新規拠出で合意。ムーディーズは決定的な取り組みが欠如していると批判。

12月 欧州中銀(ECB)、三年の期限付きで資金供給オペの発動を決定。

12月 ハンガリー国債が投資不適格に。

2012年

1月 S&P、トリプルAを保持してきたフランスの格下げ。フランスの金融機関はギリシャ国債約757億ユーロを保有しているとされ、波及が懸念された。

2月 ユーロ圏財務相会合。ギリシャ向け第2次金融支援策で合意。2014年までに総額1,300億ユーロの追加支援を行うことが決まる。

3月 ギリシャGDP、4年連続のマイナスとなる。しかも下げ幅は0.1から6.8%に拡大。にもかかわらず財政、経常収支は改善せず。

3月 民間投資家が保有するギリシャ国債のうち約2千億ユーロに対して53.5%の減免を適用。債務残高は半減される。

3月 メルケル首相、ESMの融資限度額を7000億ユーロに引き上げることに同意。(これまでは5千億を主張)

4月 スペインの財政が一段と悪化。主要銀行16行の経営危機が表面化する。

5月 JPモルガン銀行が過去1カ月半で計20億ドルの損失を計上したと発表。「ロンドンのクジラ」と呼ばれる投機ファンドが、ギリシャのクレジット・デフォルト・スワップで失敗したことが原因とされる。

おもに下記サイトを参考にさせていただきました。

http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000940/europe_financial_crisis120427.pdf