何でこんな番組を見ていたのだろう? と思うが、90年前後のグラミー賞授賞式のテレビを見ていた。黒人のねぇちゃんがそのまんまのなりで出てきてギターを弾きながら歌った歌が非常に良かった。「なんだこりゃぁ?」というわけでめったに買わないCDを買ってきた。それがその年の新人賞を獲得したトレーシー・チャップマンだった。
「すごい歌手が出てきたぞ」と私なりに囃したが、その後はまったく音沙汰なし。なんとなく気にはなっていた。

今日はひょっと気が向いて「そうだyoutubeを当たってみよう」ということになった。
結論から言うと、よくも悪しくも「そのまんま」である。アメリカの状況からいうと仕方がないのかもしれない。マサチューセッツあたりの進歩的な人々の混迷状況を「そのまんま」反映しているのかもしれない。

私らオールドフアンとしては、エラ・フィッツジェラルド、ポール・ギブソン、オデッタという黒人抵抗歌手の系譜を継ぐ人物として期待していただけに、いささか期待はずれである。告発はあっても闘いはない。民衆を扇動するのではなく自己に沈潜してしまう。

とにかくすべてに中途半端で、いたずらにデビュー当時のスタイルを守ることにのみ汲々としている感じだ。

率直に言って作曲家としての才能はあまりないのだから、いいプロデューサーを見つけて自分は歌手に徹すればよい。

たしかにブルースはうまいが、進むべき道はそちらではないだろう。まずもって名門タフツ大学と、マサチューセッツの進歩派の先頭に立って、皮膚の色ではなく労働者階級の歌を歌うべきだ。

彼女の生まれはオハイオ、去年、橋下みたいに知事を相手に労働者が闘って、ついに住民投票まで持ち込んで勝利したところだ。その主力は小学校の先生であり、消防士であり、看護師であり…要するに大企業の労働者ではない。白人も黒人もヒスパニックもふくめた普通の人たちだ。

オハイオの大平原の中に吸い込まれていくような、良いヒルビリーが聞きたいものだ。

とりあえずお勧め曲

1 Across the Lines

2 Behind The Wall

3 Bridges

4 Crossroad

5 Give Me One Reason

6 House of The Rising Sun(これはライブ盤が圧倒的によい)

7 Mountains O_Things

8 Revolution (これもLive盤)

9 Unsung Psalm

10 Why