赤旗で東電の電気料値上げ関連の記事が掲載されている。

その中で政府の「東電に関する経営・財務調査委員会」(略称・東電調査委員会)の報告を引用したところがある。

東電は、直近10年間で、実際の費用よりも6186億円も多く見積もっていた。

東電の情報開示の状況は十分であるとは言いがたく、事業者として説明責任を十分果たしているとは言いがたい。


東電のホームページに

「東京電力に関する経営・財務調査委員会」による「届出時と実績の料金原価が過去10年間で6,000億円過大」との指摘に対する当社見解

というページがあって、報告の内容を真っ向から否定しているが、その後どうなったのか。正しければ正しかったで、間違っていたら間違っていたで大問題のはずだが。


東電調査委員会について

こういう委員会が出来ていたことは知っていたが、報告が提出されていたことも知らなかったので、少し調べてみた。

まずウィキペディア

福島原発事故の損害賠償に際し、「東京電力の厳正な資産評価と徹底した経費の見直しのため、経営・財務の調査を行い、政府の支援にあたり活用する」ことを目的として設置される委員会。

委員長が今回会長に就任した下河辺弁護士、5人の委員の一人があのJR東海の葛西社長だから、たかが知れている。

とは言いつつも報告の内容は気になる。

いくつかレビューを探したが、一刀両断的な文章ばかりで、内容に踏み込んだものはあまりない。

森本紀行のコラム 「東京電力に関する経営・財務調査委員会」報告書の曲がった読み方

という文章が内容を分析しているほとんど唯一のものだ。

この報告書がとった戦略は、電気料金の値上げをしなかった場合に、東京電力が最大限の経営努力を図ったとして、東京電力の経営が持続可能なものとなるか、という予測を示すことで、値上げに関する議論の出発点を提供する、というものです。

報告書では、経営を維持するために、10%の値上げと、停止中の原子力発電所が予定通りに稼働することを前提にしています。

ということを前提にしつつも、肝心の部分はリストラ計画です。

東京電力の経営の徹底した合理化による、経営費用の大幅な削減と、不要資産の売却です。不要資産には電気事業を維持継続するのに最低限必要な資産以外の全ての資産が対象となります。

報告書が想定する経営合理化で十分なのかどうかは分かりませんが、少なくとも、この報告書で書かれた合理化を行わない限り、到底、電気料金の値上げはあり得ないでしょう。そのことを、この報告書は、強く主張しているのだと思います。

今、その経費削減や資産売却の詳細に立ち入りませんが、それなりに、踏み込んだ内容にはなっていると思います。

もう一つの論点が、資金繰りの破綻と債務超過に関する予測である。

ここでは、報告書が資金繰り破綻せざるを得ないような条件を仮定して、それを元に破綻のシナリオを書いていると批判している。

こちらは本題から外れるので触れないが、森本さんのこのあたりの論理はさえている。