シューマンのピアノ協奏曲を、バックハウスのピアノで聞いているのだが、実にいい音だ。
うp主が良い音でアップロードしてくれたせいだと思うが、60年代初めの録音とは思えない。ヴァントとウィーンフィルがバックを支えているが、これがまた良い。
音がいいのにはもうひとつ理由がある。foobarにWASAPIを導入したからだ。高音の伸びがべらぼうに良い。こういう環境だと60年頃のデッカの音が理想的に響く。

あのころは英デッカ(ロンドン盤)の低音、EMI(エンジェル盤)の中音などといったものだ。いま考えてみると、EMIは低音が出せなかっただけの話だ。独グラモフォンはもっとひどかった。テレフンケンは絹漉しサウンドといったが、電話機の音に絹をかけたものだった。ウェストミンスターやERATOは、ソニーの家庭用テープレコーダー並だった。
そこへいくとアメリカの音はすごかった。とくにRCAヴィクターのボストン交響楽団、シカゴ交響楽団はいまでも優秀録音だろう。CBSコロンビアやRCAヴィクターは、バーゲンセールでもない限り、貧乏人に手が出せる音源ではなかった。


一時はfoobarからの離脱を真剣に考えた。やせた愛想のない音は、リリス+ASIO、フリブオーディオ+ASIOを聞いてきた耳にはいかにも貧相に聞こえた。MP3だけでなくAACファイルも聞けるというのがfoobarの最大のメリットであり、そのためにやむを得ずに使うというのがその理由であった。

しかしいまや音はリリスよりもフリーブオーディオよりもはるかに上だ。ASIOの不快な音とびもない。意外なのは、これまでさっぱり分からなかったリサンプラーの効果がでて、低音まで生き生きとしてきたことだ。こうなったらもうfoobarしかない。さようならASIOだ。