共同声明の中で注目されるのが「民生用原子力協力に関するハイレベルの二国間委員会」の設置が打ち出された。
赤旗ではこれを「原発推進への巻き返し」を目指すものと見ている。
短期的には
①民生用原子力エネルギーの安全かつ安心な実施、
②廃炉・除染をふくむ事故対応戦略
の協議ということになっているが、協議内容には「核セキュリティー」「核不拡散」なども課題として挙げられており、きな臭い雰囲気も漂わせている。

3.11後の処理でアメリカは日本側の対応に苛立ちを隠さなかった。協議という名のもとに原発管理を一元化するのが狙いだろう。とくに核物質の流出に神経を尖らせているものと思われる。

もうひとつは、原子力の平和利用の引き続く推進という基本方向で、日本はがっちりタガをはめられたことになる。このところの原発再開をめぐる議論で一番不透明なのが、この基本方向だった。原発廃止論者のなかでも当面の激変緩和措置として原発の一時稼動を受け入れる人は多いと思う。ただその人たちも、長期で原発の継続までは主張しきれないから、議論が最終的には煮詰まらないのである。

しかし、日米共同声明で原発の維持・推進路線が出されたとすれば、大きな波紋を呼ぶのではないか。

アメリカと日本の支配層は、依然として原子力は有効なエネルギー源をして捉えており、重要なエネルギー資源としての戦略的対応を模索している。それは核兵器のための資源確保にもつながるからだ。
この観点から、我々は今回の日米共同声明の向かおうとする方向に十分な注意を向けていかなければならないだろう。