ところでその軍事バランスの問題だが、議論が混同するのを避けるために、アメリカから見た日米同盟、東アジア諸国から見た日米同盟論を分けて考えなければならない。その上で、基本的には東アジアに視座を据えて再評価すべきである。

地政学的に考えれば、21世紀初頭における日米同盟の最大の軍事的根拠は沖縄の米軍基地群である。日米同盟イコール沖縄といっても過言ではない。
地球儀を見れば分かるように、地球の半分は太平洋だ。日本は極東であり、アメリカは極西だ。
その地球の裏側のアメリカが極東にまで進出し、中国の鼻先に作り上げた戦略基地としての沖縄は、地政学的にきわめて突出した存在であり、「安定の礎」どころか、不安定の源だ。(沖縄を頂点として在韓米軍と台湾軍が加わるが、在韓米軍 は北朝鮮との対応を想定した即応戦力であり、戦略的な戦力ではない。対中国戦略向けに動かすにはあまりに危険すぎる。台湾軍はさらに微妙である)

要するに靴底に入ったこの三角形の石ころが、周辺諸国(といっても実体としては中国ということになるが)を大変不安で不快な思いにさせている、というのが目下の状況である。