テレビで内田光子とヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団のベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を放映した。お互いの突っ張りあいが見ものだった。
ヤンソンスはロマン派の力勝負に持って行きたいのに、内田は細やかなひだの美しさで勝負だ。すごいのはバイエルン放送交響楽団で、内田の要求するきめの細かさを完全に表現している。しかもヤンソンスの棒にもしっかり従っている。
だから結論はこうだ。
ヤンソンス抜きの内田光子プラスバイエルン放送交響楽団でもう一度やってほしい。やたらと変なダイナミックスをつけないで、モーツァルトの28番という感じで。

ヤンソンスの親父の演奏を聴いた覚えがある。アルヴィド・ヤンソンスと言ったと思う。ソヴィエト国立交響楽団というオケは相当泥臭い楽団で、ロシアの合唱団のように、とにかく音量で圧倒する。
息子のマリス・ヤンソンスも見たところは音の強弱で勝負の指揮者のようだ。いまや世界一のオーケストラとなったバイエルン放送交響楽団が、なぜこの指揮者でやるのか不思議だが、もう少し時間を置いてみたほうがよいのかもしれない。