16日付の赤旗に志位委員長の「提言」に関する報告が掲載された。
読めばその通りの内容だが、少し分析してみたい。
最初に政府の一体改革の趣旨として三つ挙げられている。
①社会保障の充実と安定化
②財政の健全化
③経済成長との好循環

①まず社会保障の“充実”はついでに加えたちょっとしたジョークであろう。誰も本気にはしない。ただ「上げないと崩壊する」論には一定の説得力がある。これはやはり財政改革に踏み込まないと説得力は持たない。

②財政の健全化については、消費税の引き上げでは達成できないどころか、かえって悪くなる危険は指摘している。さらに税制の抜本改革(応能負担を原則とする直接税中心制)が必要だという点も明らかにされている。
その上で、財政は結局経済活動に規定されるのであり、単独でいじってもダメだということ、経済活動の活性化には金庫に眠る余りガネの動員こそが大事だということ、それを実現するのは政治の力以外にはないことを明らかにしている。(まさに日銀総裁が再三再四強調しているところである)

ここまでは、既存の議論で十分すぎるほど結論は明らかだ。しかし
③一体改革により「経済成長との好循環が実現する」との主張にはさすがに面食らった。これは一体どういう論理なのだろう。
志位さんの説明は、最初から冗談扱いだ。たしかにタチの悪い冗談だとは思うが、一応相手の論理を俎上に乗せた上で切っていくべきだろう。

私が想像するには、消費税は大企業の法人税を軽減するための財源であり、本音は大企業減税であろう。一般には景気刺激策として企業減税を行い、投資意欲を高めるというのは常道である。問題はこの期に及んでさらなる大企業減税を行うことが果たして有効な景気刺激策となるだろうかという点にある。

さらに消費税は、中小企業からの一層の収奪を意味する。つまり逆再配分ということになる。この点については志位さんも強調しているが、そのことと日本の産業政策の取るべき道との関連で論じるに至っていない。

率直に言って、没落すべきものは没落させ、海外に行きたい連中には自由に行かせ、将来の日本のために本当に育成すべき産業に集中して投資すべきである。
1ドル80円で、国内に基盤を置いて、安定して発展できるような産業に我々は期待すべきだろう。そういう企業はあるはずだ。
現にドイツはそういう道をとって成功している。日本にとっての選択はイギリスをとるかドイツをとるかだ。何もしなければイギリスになる。

ITバブルの轍を踏むことなく、日米交渉に右顧左眄することなく、自らの立ち位置を確かめ、進むべき道をしっかり打ち出さなければならない。チャンスは今後そう多くはないはずだ。