コレアがアメリカに嫌われる4つの理由
 

①コレア大統領は2007年に就任。左派の経済学者で、就任後は油田に対する政府の出資比率引き上げや、一部対外債務の利払い停止など民族主義的な政策を進めている。

左派といっても社会主義者ではない。あえてレッテルを貼るとすればネオケインズ主義である。行動形態が過激であるにしてもリベラル左派であり、チャベスよりは元アルゼンチン大統領の故キルチネルに近い。

2008年、コレアは32億ドルの負債返還を拒否した。その債務は不当であり、国際正義に照らして違法だと宣言した。そして累積債務の35%のみを支払うと宣言した。これは債権者と国際的金融機関を激怒させた。

②石油開発についても環境を破壊するような乱開発には反対していた。地球環境保護のため東部熱帯雨林での石油開発を中止すると表明したばかりだった。これは石油メジャーの反感を招いていた。

③ベネズエラのチャベス大統領がブッシュを悪魔と呼んだとき、コレアはチャベスを批判した。「悪魔に失礼だ。悪魔には少なくとも知性はある」という のが理由である。これは米政府を怒らせた。少なくともブッシュにつながるタカ派にとっては、クーデターをやるだけの十分な理由となる。

ただしこれは06年大統領選挙終盤での発言であり、この時点ではまだ大統領ではない。アメリカの大統領選挙なら、この位はまだ穏やかなほうであろう。

④平和主義者のコレアは、10年9月の訪日において広島を訪れ、被爆被害者の証言に耳を傾けた。「核兵器廃絶に向け私たちは行動を起こしている。広 島・長崎の悲劇を二度と経験しないよう努力する」と述べた。それはマンタの米軍基地を撤去させる決意と結びついていた。それは米軍および米軍と結びついた 軍内特権層の怒りを招いた。 

これはある文献の要約であるが、債務モラトリアム、マンタ軍事基地の撤去、石油産業への干渉、それに一連の反米発言の4点セットがアメリカを怒らせ、気配を察した日本外務省が、その尻馬に乗っているという構図であろう。

コレアは急進派ではあるが元々の左翼ではない

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広島で献花するコレア大統領(エクアドル大使館HPより)


コレアの生い立ちは複雑である。彼はインタビューで、「父は失業者で麻薬運搬人(mula)だった、少量の麻薬を米国に持っていき、米国の刑務所で4年間過ごした。エクアドルへと強制送還されたあと自殺した」と告白している。

彼は苦学した後、名門イリノイ大学で博士号を取得している。同じシカゴでもシカゴ学派ではなくオーソドックスな経済学である。

コレアは左派ではあるがマルクス主義者ではない。最初に当選したときの選挙では、「民主左翼」は他の候補を推していた。

コレアは当選前にキューバを訪問し、カストロと会談している。そのあとカストロは「面白い議論だった」と述べているから、相当の激論になったようだ。