チリのピニェラ大統領が大企業増税の方針を明らかにした、と赤旗が報じている。
ただし記事を読むと、大統領が新聞のインタビューで「一流企業、つまり大企業に対する税金を引き上げようではないか」と語ったということ。ピニェラという人物を考えると、そうはしゃぐほどのものでもなさそうだ。

ただピノチェト支持者の力を背景に大統領となった人物が、インタビューでの談話とはいえこのような意見を述べざるを得なくなっている、チリの状況の変化はしっかり見ておく必要があるだろう。

誤解されることが多いのだが、チリはこの間一貫して親米、ネオリベラリズムの政策を採ってきた。
89年に軍事独裁を終わらせ、キリスト教民主党を中心とするコンセルタシオンと呼ばれる民主勢力が政権を勝ち取った。その後、民主化が進展するにつれて政権内部でも左派の社会党の比重が高まり。前とその前の大統領は社会党員だった。

だからといって、社会主義的な政策をとってきたわけではない。経済運営についてはピノチェト時代の政策がそのまま踏襲されているといってもいいくらいだ。

南米諸国でアメリカとFTAを結んでいるのはペルーとチリのみである。