日本の将来に向かって二つの道が提示されている。
ひとつの道は野田内閣の後ろに控える、大企業・財界の示す道だ。もう一つは、2年前に民主党を押し上げ、さらに変革を進めようとする一般国民の道だ。
最大の争点は景気か財政かという点にある。
大企業・財界は国内景気については関心がない。したがって消費税で景気が落ち込んでも、TPPで国内産業がつぶれても一向に構わない。肝心なことは円の安定にある。したがってその裏づけとなる国家財政の安定が何よりももとめられるものなのだ。
大企業につながり、何がしかの利益を享受する一部の人以外の一般国民は、財政よりも景気と雇用に真剣な関心がある。国際競争力よりも目の前の、そして将来の暮らしを真剣に取り上げるべきだと考えている。そして世の中の不公平ぶりに怒っている。

国際的状況はいよいよ剣呑になっている。富の著しい偏在が、需要の抑制と相対的な生産過剰を生み出している。端的に言えば、1980年代からの新自由主義経済の最終的な行き詰まりであり、小手先の対応で済む話ではなくなっている。

自由化ではなく、規制の強化が今後の流れである。金融資本を尖兵とする大企業の横暴と貧富の差の拡大を食い止めることが、世界経済の回復に不可欠の条件となっている。
そしてそのことを前提として、雇用にやさしい経済再建策がもとめられるようになっている。これは支配層の多くをふくめた世界の大勢となっている。その具体的戦略はいまだ明らかではない。誰もが納得できるような特効薬はないだろう。「収奪者が収奪される」ようなシーンが必ず登場するだろう。

そういうシナリオも潜めた2012年となっていくのではないだろうか。