先日のダボスの賢人たちの見解に引き続き、今度は国際機関の代表11人が共同声明を発表した。
11代表とは、IMF、世銀、WTO、OECD、アジア・アフリカ・米州の開発銀行とカナダ銀行の八つの国際金融・貿易機構。これにILO、WFP、さらにWHOが加わる11機関の代表。
欧州中銀が入らないのがちょっと気になるが、一応主だったところは網羅している。この顔ぶれだけでも、一面記事の資格は十分ある。
主な内容は
①財政再建は成長と雇用を促進しながら行うべきだ。
②格差を拡大させない包括的な成長モデルを。
ということで、言い方はきわめて抽象的だが
端的に言えば、1980年から90年代にかけてIMFがとったような方法をとるな、ということである。
つまり、いま日本がやろうとしているような財政再建策をとるな、ということでもある。


これには二通りの見かたができる。
かつて途上国に押し付けたネオリベラリズム政策に対する反省ともとれるし、今度は自分のことになったのでダブルスタンダードを持ち出したのかと皮肉な見かたをすることも出来る。

いづれにせよ、身命を賭して一体改革に取り組もうという日本政府にとって、この問いかけは重い。

赤旗の記事は少々分かりにくい。小玉記者は本気で書いていない。たしかにこれだけでは一面記事にはできない。
IMF・世銀は往々にして、言うこととやることが違っている。もう少し支配層全体の雰囲気や流れが分かるような解説やフォロー記事がほしい。
(9月29日の当ブログ記事でOECDとILOの共同声明を紹介したが、そこではもっとはっきりした形で雇用が景気回復の鍵であることを強調している。ILO・世銀・各開銀は、少し薄めた形ではあるが、その方向を受け入れたことになる)