日曜大工で箱作り。こちらが高いから削ると、今度はあちらが高いからといって削る。何とか平らになったものの、結局全部が寸足らずになってお釈迦、というのはいかにもありそうです。
肝心なことは寸法を合わすことで、平らにすることではないんですが、やっているうちにそんなことは忘れてしまう。
大事なことは絶対尺度を忘れないで、その範囲で平準化することです。
もっともこれは削る話。
伸ばしていくときには、不ぞろいでも競い合えばよいのです。

経営でも同じことで、全体として経営が上昇期にあるのか、下降期にあるのかの判断がまず重要です。そして上昇期であれば、それ行けどんどんでやればよいし、大いに競争すればよいのです。
その代わり下降期に入ったときは、①何が経営のコアーなのか、②どこまでスリム化するのか、③それでやっていけるのか、が戦略課題となります。同時にそのなかでも将来成長していく上で鍵を握るいくつかの芽は大事に育てていかなければなりません。
経営が厳しいときほど、原理・原則に立った凛とした姿勢がもとめられます。

むかし、私たちはそれを「不平等・団結路線」と呼びました。つまり相対評価ではなく絶対評価でやっていこうという意思の表現です。


相対評価は競争社会の原理です。それは大事な原理です。競争社会は人間をばらばらに切り離し、すべての紐帯を切り捨てる限りにおいて自由を生み出し、個性を生み出します。

ただ、押さえておかなければならないのは、競争社会は人倫的な共同社会の上に乗っかったものだということです。ここは人間社会のコアー部分であり、絶対的評価の世界です。

かつては「公務員に比べ民間企業は高すぎる」といって削り、今度は「公務員は高すぎる」といい、カンナをかけているようでは、いまの時代乗り切れません。削減の論理に相対評価を適用するのは根本的に間違っています。

金持ちがもらいすぎているという議論も、やっかみだけでは、いまの時代を乗り切る思想にはなれません。人倫的な共同社会を守り育てていくために何をなすべきか、そのための絶対的尺度をどう設定していくか、が求められているのではないでしょうか。