本日の赤旗トップは内部留保が増えているという記事。
労働総研の調査で、資本金10億円以上の大企業が保有する内部留保(連結ベース)が2010年度で266兆円に達した。前年度比9兆円の増加となる。
10年間の変化を見ると、特徴的なのは好況期といわれる04年から07年のあいだには30兆円の積み増しであるのに対して、リーマンショック後の不況期に入って46兆円も積み増していることである。
内部留保は基本的には使途を定めない投資ファンドと位置づけられている。不況期にあっては有効な投資先が減少することから、増加せざるを得ないのであるが、10年間着実に、年平均10兆円がつみあがるのは景気の局面からは説明できない。

さらに問題となるのは、内部留保+配当=税引き後純利益だから、そして配当金も着実に増加しているから、純利益が100兆円以上増えたことを意味するということである。

さらに国際競争力という観点から見るならば、ドル換算で評価しなければならない。2000年の円相場が120円、現在が76円だから、120/76=1.58 をかけなければならない。

そうすると
00年の内部留保 172兆円=1.4兆ドル
にたいして
10年の内部留保 266兆円=3.5兆ドルとなる。
実に日本の大企業は10年間でドル換算で内部留保を2.5倍に伸ばしたことになる。
すさまじい収益力であり、「国際競争力」である。
日本の国際競争力の弱体化が問題にされてきたが、むしろ強すぎることが主要な問題ではないか。

むかし囲碁の名人で坂田という人がいた。対局中に「ひどい」とか「参った」とかぼやきまくるのが有名だったが、周りの人にいわせると「あれは本人が参ったのではなく、相手が参っただろうといっているのだ」とのことだった。

大企業は「4重苦」とか「5重苦」とか、坂田栄男を真似ているのかもしれないが、決して騙されてはいけない。苦しいのは腹が膨れて、バンドがきつくて苦しいのである。

ところで、これら大企業の内部留保を賃金に回せというのはちょっと理屈が通らない。
企業の利益はすべて国内の労働者が稼ぎ出したものではない。ざっと見て半分は海外進出先で現地の労働者が稼ぎ出したものである。

もちろん、国内の労働者も権利を主張すべきだし、賃上げを要求するべきではあるが、それはあくまで生きていくための必要経費を基本とすべきだろう。儲けているんだから分け前よこせというのは筋が違う。
基本としては租税として徴課し、国家の再配分機能を最大限に働かせるべきではないか。