要綱Ⅱ p494
 
資本は常に生産性を向上させる。そのことは人類が自由に処分できる時間を創造することにつながっている。
しかし、個別の資本は、もっと儲けようと思って、あるいは「国際競争力を強化」しようとして、さらにその時間を使って剰余労働に転化させようとする。

だからそれがうまく成功しすぎると、社会全体は剰余生産に苦しむことになるのだ。(すなわち過剰生産恐慌)

その場合、その剰余労働は、結局のところ市場で販売できず、価値実現されないから、今度は剰余労働ばかりでなく必要労働までもが中断してしまう。

この矛盾が発展すればするほど、ますますはっきりしてくるのは、いろいろな生産力の増大は、そのまま剰余価値の増大に縛り付けられているわけには行かないということだ。つまり剰余労働を減少させなければならないということだ。

ただし、剰余労働の減少(労働時間の短縮)は労働者・大衆自身の努力に任されている。