アルゼンチンの田舎の出で、30歳でガンで死んだタンゴ歌手のことを書いた。生きていればきっと大成しただろうと思う。

同じような話で、40歳で死んだ前野曜子も、生きていればといわれるが、私は生きていてもだめだったろうと思う。

声はきれいで歌はうまい。一番感心するのは、こんなにきれいに日本語を発音する歌手は見たことない、ということだ。そこはかとなく雰囲気もある。しかし色気がないのだ。人をマスでひきつける力がないのだ。

玄人には人気があっても、素人には受けない。コアーにやっていこうと思ってもコアーがない。困ったものだ。