この2日間、NHKは国営放送化している。
TPP推進派を総動員してキャンペーンを繰り広げている。
原発のときにあれほど叩かれながら、まだ懲りていない。
しかし、推進派の理論家に語らせれば、それだけTPPの無意味さが浮かび上がってくるから困ったものだ。
とにかくメリットが説明できない。農業だけではないのだが、少なくとも農業は壊滅するという事実を直視しようとしない。
たしかに生き延びる部門も多少あるとは思うが、そんなことを言っているのではない。いま働いている人の生首が切られて血が出るんじゃないですか?、という話なので、質問を逸らしてはいけない。
だから、それだけの犠牲を払ってでも参加するメリットを、数字で示してもらわなければ、首切られる人は納得しないんじゃないですか。
…などということを、これだけ聞かされているうちに誰でも考えるようになるだろう。
ことが医療の話になると、推進派の理論家は途端にうろたえる。質問する人の眼が意外に真剣だからだ。
ごまかした答弁は出来ないのだが、所詮は素人だからごまかすしかない。

ほんとうは「メリットなんかあるわけないじゃん、日米同盟のために我慢するしかないんだよ」と叫びたくなる気持ち、よく分かります。

やはり原発の影響が大きい。素人は専門家を信用しなくなっている。聞き手のアナウンサーが、口にこそ出さないが、「あなたどうしてこんなところに出てきたんですか」という雰囲気を漂わせると、もはや笑いをこらえることが出来なくなる。
「こいつら、あの東大教授たちと同じ穴の狢だな」ということで、学者としての評判は地に落ちる。