タンゴ名曲百選 その27でハイチの音楽にちょっと触れたが、その後なんとなく気になっていた。最初はブークマン・エクスペリアンス(Boukman Eksperyans)と書いたが、やはり違う。もう20年も前の記憶だからあやふやだったが、ブークマンは割とメッセージ性の強いシングアウトっぽい音作りだった。

とはいうものの、他のグループの名前が出てこない。そこで苦し紛れにブークマンと書いたが、のど元に骨の引っかかる感じが取れない。

そこで本日は少しグーグルとyoutubeで、思い出し作業を行った。案外簡単に名前が出てきた。日本語のウィキペディアでハイチ音楽と引いたら、ブークマン・エクスペリアンスと並ぶ80年代後半のルーツ・ミュージック運動の代表だったブーカンギネ(BOUKAN GINEN)である。私の記憶ではもうひとつララ・マシーンというグループがあったと思うが、こちらは検索には引っかかってこない。

聞き比べてもらえば分かるが、ブークマンは基本的にはメレンゲである。これに対してブーカン・ギネは何といったら分からないが、とても複雑でとっつきが悪い。基本的には4拍子なのだが、一拍が三連符でなので掛け算すると12分の4拍子なのだ。しかも三連符といってもひとつの音符が二分割されている。だから4拍子の1小節のなかに音符が24個あることになる。

メレンゲも大変忙しい音楽だが、音符の数からはその上を行っている事になる。その割には変にゆったり感があるのだ。アヒルの水かきのように水面下は大変忙しいが、表面上はそんなそぶりを見せないというのが、アフリカ流の優雅さなのだろう。昔アフリカの留学生に踊りを手ほどきしてもらったことがあるが、まさにそういう感じだった。タップダンスと似た美意識なのだろうか。

もっとも最近のビデオを見ていると、ブーカンギネもメレンゲのほうに移行しているようで、そう大差はなくなっている。どちらかといえば、ブーカンギネのほうが洗練されていて、ハイソな感じなのかな?

Boukan Ginen - Ede'm Chanteはお勧めだ。