欧州金融市場でイタリア国債が売られている。
10年もの利回りが6.6%にまで上昇した。これはユーロ導入後の最高水準であり、持続不可能とされる7%水準に近づきつつある。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガルでは、10年もの国債利回りが7%を越えたとたんに、利回り上昇に歯止めがかからなくなった。このことから、金融専門家は7%を「債務危機転落の分水嶺」と呼んでいるそうだ。

7日のユーロ圏財務相会議は、EFSFの保証を1兆ユーロにかさ上げすることで合意したが、財源は依然未定である。頼みは新興国とIMF、しかしともに慎重な姿勢は崩していない。とくに新興国は、「最後の貸し手」についてのドイツやベネルックスの本気度を疑っている。

最終的にIMFが出動するとなれば、ユーロはドルの補助通貨となることになる。加盟国にとってユーロに留まるメリットは失われる。

それはそれでよいのだが、IMFが出動するということは、現在の出資比率を維持するなら、ドルの大量発行ということになり、連邦債の格下げとなってアメリカの首を占める。他方ではユーロ圏の経済規模が一気に縮小することになり、国際決済の2割以上を占めていたユーロが紙くずになることになる。

スティグリッツの予言ではないが、世界は歴史のツケを払わなくてはならなくなる。

当面は、一刻も早くユーロの紙幣を印刷しまくる体制を作るしかない。その前にギリシャの経済再建方針を出して、この問題にカタをつけるべきだと思う。