ギリシャが再建案の受け入れをめぐり国民投票を行うと発表したことから、G20を前に蜂の巣をつついたような大騒ぎとなっている。
しかしこれはむしろ当然のことであろう。

一番は、棒引き率が低すぎることだ。

当初、棒引き率が50~60%と報道されたときには「ほぉやるもんだね」と思ったが、結局銀行側の巻き返しで50%にねぎられた。このあたりの不信感がギリシャにはあるのではないか。そもそも50%の棒引きでギリシャが持つのか。こんなところで値切っていても、結局「一門惜しみの銭失い」になるのではないか。

EU諸国としては結局はギリシャより自国の銀行のことのほうが大事だから、棒引きはしないに越したことはない。これは支援というよりエゴだ。
しかしEU全体としてみた場合は、市民を守るのか銀行を守るのかという話になる。少なくともギリシャは「そうじゃございませんか?」と問うていることになる。

もう一つは、財政支援といいながら景気回復への投資は一切含まれないことだ。

これではがんばればがんばるほど歳入が減り、財政赤字は膨らむという構造になる。かつて中南米でIMFが推し進めた政策と一緒だ。

ギリシャにはデフォールト・自己破産宣告というオプションも残されている。どちらが得かといえば破産しないで財政支援を受けながら再建したほうがいいに決まっているが、国民の立場に立った財政支援がないのなら、いっそ破産宣告して、ユーロ圏から離脱しまったほうがいいということにもなりかねない。
かつてキルチネルがやったように、「その際はEU側にも相当血が流れますよ」という捨て身の脅しもある。

この路線の選択を、後々引きずらないようにするためにも、国民投票はやっておいたほうが良い。パパンドレウ首相にも道徳的力が備わり、その後の運営が容易になる。

EUの側としては、ギリシャの経済再建をどう進めるのか という視点をまず打ち出すことだ。そしてその中で財政再建を実現していくというアジェンダを提示すべきだ。当然、棒引きは60%に引き上げるべきだろう。

いまのところ、独仏首脳は「いやなら金出さない」と偉そうにしているが、実は伏し拝んででもお願いしなければならないのはテメエたちの方だ。

何も検討が振り出しに戻るわけではない。いずれにしてもギリシャは序の口だ。「最終の貸し手」作りが本題だ。