スティグリッツの発言 (ニューデリー 11月1日)

ユーロ地域ソブリン負債危機について

スティグリッツは、欧州連合がギリシャ問題でタイムリーに扱わなかったと述べた。

「ユーロ通貨が創立されたとき、大部分の経済学者はとても難しいプロジェクトとしてそれを見いだした。
彼らは、利率と為替比率を取り去ったが、それに代えて何らかのシステムを置くということをしなかった。
「彼らはギリシア危機に取り掛かるのが非常に遅かった。そして今、危機は広がっている。
彼らが踏んだステップは、彼らが直面する深刻な問題に取り組むためには十分とはいえないだろう。

G20は解決策を見出すだろうか?

11月3日にパリに集まるG20の指導者たちはソブリン債務問題に関して一定の解決案を出そうとしている。

資本の流れの「不安定化」に関する問題とトービン税を課す必要は、G20財相・中銀総裁会議で議論された。しかし、加盟国の中の意見の違いのため、決定は下されなかった。

世界経済が二番底に滑り落ちるのではないか?

危機は2008年にアメリカの投資銀行の象徴であったリーマン・ブラザーズの破産で開始された。第二の世界危機はもっと大きいだろう。

RBIのサバロ総裁(D Subbarao)を含む数人の専門家は、もはや解決のための時間は過ぎ去りつつあると強調している。

2つの大きい発火点がある。それは以下の通りである
景気後退についての米国での新たな不安、そして、ユーロ地域のソブリン危機の深化。

トロントでの講演のかなり長い要約が下記にある。
http://www.huffingtonpost.ca/2011/11/01/cibc-world-markets-provinces-condition-populace-austerity_n_1069642.html

ただしここには記者との質疑応答はない。ブルームバーグの特ダネだろう。
それにしても、かつてスティグリッツなど見向きもしなかった財界が争ってスティグリッツの発言に群がっている。文芸春秋にまで載る御時勢だ。これもニューデリーのネルー大学での講演だが、こんなところまでフォローされている。
ウォールストリート占拠闘争の青年たちにはカリスマ扱いとなっている。
地下のマグマが動き始めている感じがする。