韓国がFTAでもうけたという話が蔓延している。だから乗り遅れるなというのが、結局TPP推進論者の唯一の根拠といっても良い。
だがこの話どうも眉唾だ。この間に韓国がFTAを組んだ相手がいくつかあって、そことの貿易が急増したということだが、チリとかノルウエーとかスイスが相手で、もともとの分母が知れたものだから、%で言ってはいけない。
伸びた額で見るとほとんどがASEANとの貿易だ。しかしASEAN相手のFTAなら別に韓国の専売特許ではない。日本もやっている。もし激増したのなら別の要因を考えなくてはならない。そもそも韓国とASEANとのFTAはにせFTAで、ほとんど中身はないとされている。

ASEANとのFTA効果は限定的
韓国・ASEAN自由貿易協定(KAFTA)の物品貿易協定は発効から2年経過した。1年目に対ASEAN輸出が24.9%増加するなど、ある程度の効果があったとされる。しかし、企業の特恵関税利用率は低く、政府の積極的な広報が必要との指摘もある。   世界のビジネスニュース(通商弘報)より
7月からEUとのFTAが始まったが、今のところ出てくるのはご祝儀かちょうちん記事ばかりで、未だ先を見てみないと何ともいえない。アメリカとのFTAに至っては、あまりの内容のひどさから、国内で怒りが噴出し、成立するのかどうかさえ分かっていないのだ。

とにかくTPP論者の話はすり替えだらけだ。聞き流していると、アメリカやEUとのFTAのおかげで韓国が急成長しているかのようにしか聞こえない。

すみません。自動車関連の記事はガセネタでした。事実は以下のとおりです。
これまで韓国国内での輸入車市場はドイツ車が圧倒的で、これは日本と同じです。ところが韓国が好況局面に入ったこともあり、輸入車の販売が増加。これを狙った日本の自動車各社が安値攻勢をかけて、輸入車のシェアーを40%以上に伸ばしたということです。
ただ国産車との価格差が縮まると、今後、本格的な自動車戦争に発展する可能性もありそうです。


なお、TPPに関する資料は 典拠もふくめて農林中金総合研究所 「TPP(環太平洋連携協定)に関するQ&A」が詳しい。