中国の国際通貨論

高 海紅 (中国社会科学院世界政治経済研究所教授)

国際通貨の二つのオプション

①超国家的準備通貨 “super-sovereign reserve currency”

主権国通貨が世界通貨を代替するシステムの構造的欠陥を克服しうる理想的なフォーマットだ。しかし、青写真の段階だ。

②複数通貨によるバスケット体制

集合形態の通貨は避けようのない欠陥を持っている。

間違いなく、危機の下では、US ドルが安全避難先の役割を果たした。この事実は厳粛に受け止めなければならない。

中国がドルから離れるとき

この10年間で、ドル備蓄は14倍になった。しかし米ドルインデックスはこの間12%低下している。大規模なキャピタルロスが発生したことになる。

どこまで差損を許容できるかが問題だ。さらにFRBがインフレで債務を帳消しにする可能性も考えなくてはならない。

金融自由化に対する考え

Impossible Trinity (トリレンマ)については、無制限な資本自由化を行わないことで、為替相場の安定を図る。

自由な資本フローを保障した上で、独立した金融政策を守るためには、弾力的な為替相場が必要であることは認める。

…直接投資はすべて原則自由である一方、株式市場、債券その他債務証書は主に機関投資家向けです。短期市場やファンド、デリバティブその他の商品は厳しい規制の対象となっており、原則として非居住者には禁止されています。

外貨準備の野放図な蓄積を行うつもりはない。成長パターンを民生・内需にシフトさせることで歯止めをかけるつもりだ。