「過剰貯蓄が不景気を招く」といっても、別に私たち庶民の話ではない。
スティグリッツが今日の世界の危機は総需要の弱さに起因するといっている。
そしてその総需要の弱さは、アメリカのバブルの崩壊もあるが、主要な要因は貿易黒字国の過少消費と過剰貯蓄にあるといっている。
なぜ貿易黒字国が過剰貯蓄に走るのか、それは金融規制緩和と資本自由化のためだという。東南アジアのある国の首相がスティグリッツに語ったという。
「我々は97年、アジア通貨危機という学校にいた。そこで十分な準備をもたないとどうなるかを学んだ。二度とその失敗は繰り返さない」
長期的に見て自由化は必須の課題ではあるが、それは金融ギャングを野放しにする「自由化」ではない。犬やペットの放し飼いを野放しにして自分の家の垣根だけは厳重に戸締りするというのは、結局自分の首も絞めることにつながる。
過剰貯蓄などしなくても安心して暮らせるような金融・通貨システムを作ることが一番大事な話なのである。しかし自分だけが安全に暮らせればよいという富裕国エゴにも、「そんなことをしても所詮共倒れだ」猛反省を促したい。