ITOの理念を表現したハバナ憲章というのがあって、その理念に立ち帰れというのがスーザン・ジョージの主張だ。
しかしハバナ憲章については原文も、その解説もネットでは読めないことがわかった。分かったのはこのハバナ憲章を提案したのも、そしてつぶしたのもアメリカだったということ。GATTはITO構想の先進国に都合の良いところだけをつまみ食いしたエセITOだということだ。

TPPにしてもFTAにしても、WTOが失敗したための個別撃破作戦であることは明白だ。GATTとその後身であるWTOがいかなる点で先進国中心主義であり、それがITOのそもそもの目的といかなる点で背馳しているのかを明らかにすることは、決して懐古趣味ではない。

世界基軸通貨がいま再び現実的な課題となっている。その基盤となる公正・互恵の貿易システムが同じように現実的な課題とならないわけがない。
TPPに反対する運動は、同時に世界のあるべき貿易体制を訴えていかなければならないだろう。ITOハバナ憲章の現代における再検証が、ネットの世界にも登場して欲しい。