この闘争は遠からず終局を迎えるだろう。しかしその種子は全米、全世界に広がるだろう。
この闘争はいろいろな運動と似ている。日本で言えばテント村運動だ。かつての全共闘やべ平連とも似ている。運動に近づきすぎると全体像を見誤る危険がある。この運動はサーファーなので、肝心なのはサーファーを動かす巨大なうねりだ。つまり労働運動と青年運動の合流だ。
若者は闘いを求めている。文字通り一触即発だ。しかし本格的な闘いに参加するのはためらっている。それは当然だろう。
だから一種のお祭り騒ぎで、権力からも攻撃されないような最小抵抗線を選ぶ。スローガンも一見戦闘的で、実体としてはあいまいなものを選ぶ。本当に闘おうとすれば、一生を棒に振る覚悟をしなければならないからだ。
そこを労働者が後押ししている。後押しするということは、一面からいえば、「この道は一度信じたら逃げられない道なんだよ」という覚悟を迫ることでもある。だからあいまいなスローガンの割には闘いの基本線がぶれない。これが「ウォールストリート占拠闘争」の大きな特徴だ。
もうひとつの巨大な変化は、労働運動自身の階級意識の先鋭化だ。率直に言ってAFL・CIOが占拠運動を支持したことさえ信じられない。かつてのAFL・CIOといえば反動の手先、というより主柱のひとつだった。それが占拠行動の支援に参加するとは時代も変わったものだ。

しかし傘下の主力組合の名前を見て行くと、それもうなづける。大企業の労働者たちは労働運動から遠ざかり、いまや看護婦や教師やトラック運転手などの周辺産業労働者がAFL・CIOを支える時代となっている。労働運動の再生が問われる時代を迎えているのだ。
NYタイムズに紹介された内部討論の中身を見ると、慎重論者もふくめて、基本的にはやる気満々なのが分かる。「それは俺たちの課題だぜ!」という感じが伝わってくる。
何よりも、この労働者と青年の結びつきに注目しながら、事態を引き続きウォッチして行きたい。