芸能雑誌「明星」の昭和31年度の人気番付。総投票数25万という“権威ある”もの。
笛吹き童子や紅孔雀、里見八犬伝が世の中を席巻していたことがわかる。他に大映系が意外に人気があったようだ。私は大映映画など見たこともないが。
大友柳太朗ばかりでなく三船敏郎や大川橋蔵、高峰秀子も番外というから、現在とは相当評価が違う。アラカンが居ないが、もうこのころは引退していたのだろうか。
芦川いづみ が裕次郎より前から日活スターだとは知らなかった。昭和10年生まれだっていうからすごい。日本列島のときはいくつだったんだろう。
裕次郎以降東映フアンの小学生はみな日活に移った。もちろん私も嵐を呼ぶ男から陽のあたる坂道まで一通りは見ている。二本立てだから、ついでに二谷英明も何本かは見た。
しかし私はどういうわけか、第二東映で佐久間良子や三田佳子にあこがれていた記憶がある。そちらのほうが安かったのかもしれない。なにせテレビのない時代だから、映画なら何でも良かったのだろう。
三本立てを見終わると、もう日が西に傾きかけていた。猛烈に働いた脳みそが熱を持っていた。まぶしさに目を瞑ると目の奥が熱かった。猛烈な空腹に思わず食堂に飛び込んだ。カレーライスが60円だった。映画もたしか60円だったと憶えている。電車賃が往復で20円。1ヶ月の小遣いは300円だったかな。


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