時代が変わるのだろうか?

 

これからの10年、南米地域はどの方向に進まなければならないのだろうか? それを考えるということは、この10年を推し進めてきたプッシュ要因をあらためて分析することを意味する。そして、10年かけてここまでしか進めなかった原因を分析することを意味する。

90年代最後の10年間に、様々なタペストリーが織られた。その織り糸は草の根運動家が提供され、左翼組織から提供された。その織り糸は徐々により合わさって、変革の主要な推進者となった。

古い労働組合運動は、新たな運動の波が彼らと並び立つのを見た。しばしば激しい競争が展開された。それはシステムから疎外された敗北者たち、「持たざる者」、職を失い、家を失い、権利を失った者たちの集団であった。

それぞれが自己の立場に立ち、決定的な瞬間には共同し、力強い流れを作り出した。ネオリベラリズム・モデルは拒否され、政府は統治能力を試され、極端な場合は堕落した無能な支配者を飛行機に乗せて追い出した。

エクアドルでは三人の大統領が、ボリビアでは2人の大統領が民衆の動員に直面して打倒された。彼らは、民衆には政府を放逐する力があることの証明となった。民衆は反国民的政府を権力の座から追い落とす力がある。その力が証明されたことが、南米地域変革への新しい方向性を解き放った要因のひとつである。

その他の国の流れは、より平和的であるが、同じように民衆のパワーを受けての変化である。それは定められた合憲的な手順を踏んで、進歩的政治勢力が勝利して、国政の機関を引き継ぐ形で進んだ。

この変化は最初は地域レベルで発生した。それが地方レベルに拡大し、最終的は全国的レベルにまで拡大した。それは同時に民衆の動きが政党や大衆運動に影響を与え、「古い」左翼と「新しい」左翼の共同を生み出してきたともいえる。

エクアドルでの祖国同盟Alianza Pais、ボリビアでの社会主義運動Movimiento al Socialismo、ベネズエラでの統一社会党は、政党システムの破産状態が続いていた国での政治勢力のあり方を示している。

一方で、ブラジルの労働者党(PT)、ウルグアイの拡大戦線、パラグアイでのTekojoja は伝統的政治システムの中で生き延びてきた。そして政治革新の主要な要素として発展した。

すべては、我々がサイクルの終わりにいることを示す。国家装置としての政権を引き受ける政党は民衆運動のパワーによって作り直された。民衆運動は一定時間の後、最も戦闘的な人々を柔軟にさせることでひとつの組織にまとめ上げられた。実際、今日、変革過程の分析は、そもそも変革の戦いを始め、指導した勢力の内部にどんな変化が起こったのか、その内容を理解することに集中している。

ブラジルでは、「新時代」に関する議論がもっとも広範にかつ深く進行している。たとえば社会学者オリヴェイラは、「逆ヘゲモニー」 reverse hegemony という概念を提示している。これは労働党政府が金融資本や多国籍企業を統治するという現象を説明するために用いた概念である。

彼の編集した著書「ルーリスモ」の中で、社会学者ルダ・リッチは労働党の草の根的基盤における変化の基礎にせまっている。そして新中間層の興隆をルーラの人気を理解する鍵として捉えている。

さらに最近では、社会的な運動でありかつ政権でもあることの複雑さを、社会学的に捉えることも含め、「ポスト・ネオリベラリスム体制」という言葉が出現してきている。

アメリカの再位置づけについての議論も付け加えておく必要がある。アティリオ・ボロンはアメリカの政策の基本を「この地域の政権を崩壊に至らしめるさまざまな攻勢」として捉えている。そしてそれはコロンビアとパナマでの軍事基地、ホンジュラスでのクーデター、関係国との関係における軍事突出として特徴付けられている。その典型が第4艦隊の活動再開とハイチへの一方的干渉である。