日本経済には二つの隘路があると思う。
一つはデフレ・円高のスパイラルだ。
国際競争力を目標にする限り、円高は必至だ。「因果は回る、火の車」だ。
世界はギブ・アンド・テーク。誰かがもうかれば誰かが埋め合わせしなければならない。企業が輸出でもうかれば、円の評価は上がり、円高不況になる。それで苦しむのは国民だ。
収支はトントンでいいのだ。どこが着地点なのか、どう着地すればよいのか、真剣に考えるときだ。
もう一つは総量緩和・財政赤字のスパイラルだ。
「流動性の罠」は、とうに実証されている。日銀の金融操作だけで解決しようとしても事態はますます悪化するだけだ。白川総裁も、あのバーナンキでさえ、「景気回復は政府の課題だ」といっている。

今年6月にQE2(連銀の量的緩和第二段)の終了をもって、新自由主義の政策は最終的に崩壊した。今日のアメリカ・ヨーロッパは、間違いなく明日の日本だ。
「有効需要の喚起」というケインズ的手法が、部分的にはこれに代替されなければならないだろう。とりわけ需要一般ではなく、政府の所得再配分機能の発揮が求めれれる。
オバマの新政策は、迂余曲折はあっても実現していくあろうし、実現させなくてはならない。
同時にヨーロッパですでに始まっている、大企業・金融を国民的統制のもとに置くという課題が避けて通れなくなるだろう。