(25)バンドネオンの嘆き (Quejas De Bandoneon)

アルゼンチン・タンゴ屈指の名曲です。これもカナロが一番とはいえない曲ですが、トロイロ楽団風の演奏に飽きたということですか。あぁ、元はこういう曲だったのか、と納得する演奏です。

YOUTUBEにはトロイロの演奏が2バージョンありますが、音質は似たり寄ったりで、ひどいものです。カナロの演奏はありません。

QUEJAS DE BANDONEON

と、書いたら、カナロがありました。

Quejas de bandoneon - Forever Tango - Yanina y Eric 2009


フォーレバー・タンゴの良い演奏がありました。

Orquesta Típica Sabor A Tango - Quejas De Bandoneón (Juan de Dios F

これも良い演奏ですが、コンサートの非公式録画のようで、残念ながら音質はかなり悪いです。

Esteban Morgado Cuarteto - Quejas de bandoneón

これも掘り出し物のひとつ。「バンドネオンの嘆き」をテーマにジャムセッションを展開している風ですが、大筋は踏み外しません。アコースティック・ギターがロス・プリモス張りの演歌を織り込むのが新鮮です。

Quejas de Bandoneon

これも掘り出し物。sexteto juan carlos sabatino の演奏で、バイオリンが弱いですが、全体としては十分水準を行っています。

Julio de Caro - Quejas de bandoneón

フリオ・デ・カロの演奏もありました。エル・アマネセルを聞いているような雰囲気です。

Carlos Di Sarli - Quejas De Bandoneon

全編見事にディサルリ節。こうまでして聞きたくはない。

ORQUESTA de A. Piazzolla 1946/48 Quejas de Bandoneón


こういう演奏もあるよ、ということであげただけ。オルケスタ時代のピアソラは面白くもなんともない演奏で、採りあげる価値なし。


(26) ガウチョの嘆き (Sentimiento Gaucho)

いろいろな楽団が演奏していますが、遅めのテンポでリズムをしっかり踏んでいくカナロの演奏が一番納得させられます。録音もSPとしては良好で、バイオリンの「さび」が効いています。

Sentimiento Gaucho - Alberto Arenas

これがその演奏ですが、ウP主は手持ちのLPをそのまま再生していて、ディスクの状態がかなり悪い。ほかに誰かウPしてくれていないか探してみます。

SENTIMIENTO GAUCHO,JUAN D'ARIENZO - OSVALDO RAMOS

この演奏を聴いたら、カナロなどどうでもよくなりました。オスバルド・ラモスの美声も冴えています。ただ冒頭のピアノの乱れはどうしてそのままなのか?

TANGO入門(16)ガウチョの嘆きSENTIMIENTO GAUCHO(F.Canaro) ...

これを聞いたら、上記の感想はそのまま取り下げです。カナロがステレオで聴けるというだけでも夢のようなのに、61年の録音というのに音質がすごい。あの当時の日本の録音技術は決してほめられたものではないはず。奇跡としか言いようがない。 ishizakiyoshifumi のお宝音源でしょうか。感謝

SENTIMIENTO GAUCHO


ガルデルの初期の録音のようです。抑えた表現が哀切を浮かび上がらせる名演です。

CARLOS GARDEL - SENTIMIENTO GAUCHO (1925).

こちらが新しいほうの録音です。歌い方の基本は同じですが、音質の違いなのか、前者のほうがしっとりした感じです。

JORGE "CHE" SARELI - SENTIMIENTO GAUCHO

あまり聞いたことのない歌手だが、過不足なく歌い上げていて、安心して聞ける。

LIBERTAD LAMARQUE "SENTIMIENTO GAUCHO"


うまいが品がない、美空ひばりと同じです。曲によっては名唱となるが、これはどちらかと言えばスカ。

SENTIMIENTO GAUCHO

ステレオ録音だが、エコーかかりすぎ。ALBERO BIANCO という歌手が自分のオルケスタ・ティピカを編成して、それをバックにして歌っている。悪くはないが、多少うっとうしい。

sentimiento gaucho


Orquesta Típica Rodolfo Biagi の1942年の録音とあります。歌なしで、編曲勝負。かなりの説得力ですが、ご本家を上回っているとまでは言いがたい。ほかにフロリンド・サッソーネの演奏もあったが、これはひどい。エクトル・バレーラの演奏も「これがステレオだ!」みたいな音でいかにもだ。

Sentimiento gaucho VIRGINIA LUQUE


こういうのを名唱というのでしょうか、どうも私にはやりすぎのようにしか思えませんが。

Pachamama con Centro Gaucho Tradición 2 - Sentimiento criollo

たまたまぶつかったページで、「ガウチョの嘆き」とはまったく関係のない動画だが、「えぇどぉー!」
フフイのフィエスタで地元の人がハンカチを振りながら踊る。タンゴではなくクエンカだ。私たちには耐えられない単調なリフレインが果てしなく続くが、人々は飽きない。その表情には喜びというよりは「苦痛」とも呼ぶべき無表情が見てとれる。
体を動かすことから来る愉悦感ではなく、それは、ゴルゴダの丘にむけ十字架を負い歩むキリストに倣ぶ法悦感にも思える。
バンドネオンとギター二丁、ボンボを叩く若者の取り澄ました表情が「超カワイー」のだ。
それが神聖な任務でもあるかのように、音楽も踊りも完全に無視して、マテ茶を沸かしている女の子も、後姿だけだが、かわいい。
それが年頃になるとぶくぶくとしてくる。せめて結婚するまではスマートでいろよな!と思うが、どうもデブは、牝牛が発情して肥えるのと同様、女性が適齢期に達した証のようだ。