与謝野経済財政担当相が、内閣府の研究報告の公表を機に記者会見。
「経済成長や物価上昇によって財政健全化が達成できるというのは“偽りの伝説”であり、“霊感商法みたいなもの”とこき下ろした。
そもそもこの報告は「経済成長と財政健全化の関係を分析」するためのもの。報告書の結論はもう少しおとなしく、
1.高い経済成長による税収の自然増収を期待することは適当ではない。
2.物価上昇(いわゆる政策インフレ)では財政収支が改善するとは限らない。
というもので、そもそも低成長下における財政を念頭におく限りでは妥当な結論だろう。

問題は入り口と出口の二つある。
低成長は私たちが長期にわたり甘受しなければならない“運命”なのか、そもそも低成長をきたした理由を分析し、その克服の展望を明らかにしない限り、小手先の議論にしかならない。
出口の問題としては、ここでは書かれていないが、果たして消費税なのか、という議論である。
少なくとも低成長であっても、マイナス成長にはしないという観点がなければ、財政再建論は底が抜けてしまう。経済再建のビジョンなき財再建策は無意味だ。そのことは、この間の経過で散々叩き込まれてきた教訓ではないか。
もうひとつは、財政再建論者としてその正統性を気取るなら、徴税体系の正道である所得税を根幹とする高度累進課税、企業への法人税の厳正な徴収、要するに「あるものから取る」原則を前面に押し出す必要がある。
それでなければ財政通を表看板にした財界の回し者による、国際競争力という「偽りの伝説」を口実にする「霊感商法」とのそしりを受けてもやむをえないだろう。