久しぶりに、「経済学批判要綱」に手をつけた。
 
ダリモン「銀行の改革について」の批判に以下の件りあり(草稿集1-76ページ)

穀物商人たちは、穀物価格の騰貴、公衆の困窮、需要と供給の不均衡を食い物にするために銀行に殺到した。
(彼らは生産の元手を生産のために用いるのではなく、利ざやを稼ぐために流用しようとする。そのために銀行に殺到するのである)
そして銀行組織は、(それらの金の)穀物飢饉の際に国民にとってもっとも有益な使用手段を、遊休状態に押し込める。
(それらの金は)資本として生産の転換過程をたどるべきものであった。(しかしそれは)流通の非生産的で無駄な基礎となった。
(かくして資本は、飢餓を救済するはずの資本から飢餓を食い物にする資本に転化する)

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穀物や繭の不作が国民の直接交換可能の富を激減させているのに、鉄道企業や鉱山企業が同じ直接交換可能の富を、なんら直接に生産物を作り出さず、それらの富を飲み込んで、固定させている。
国民の富の無条件の減少、他方では銀行証券の無制限な増大。